弁護士法人菰田総合法律事務所 代表弁護士 菰田 泰隆 氏
近年、紙文化である弁護士業界においてペーパレス化を取り入れ、デジタルシフトを進めてきた弁護士法人菰田総合法律事務所。今後を見越しての取り組みだったが、不意に訪れたコロナショックでその効果が目に見えるかたちとなった。ITを駆使し、より働きやすい環境を整備する同社の取り組みについて紹介する。
クライアントファーストで、急成長を遂げる
2013年に「菰田法律事務所」、17年に「社会保険労務士事務所」を設立、そして19年8月に「(税) 菰田総合コンサルティング」を設立し、弁護士・社労士・税理士として、法務・労務・税務のすべてを支援できる体制を整えた「KOMODA LAW OFFICEグループ」。
代表弁護士の菰田泰隆氏は、早稲田大学大学院法務研究科修了後、28歳で弁護士資格を取得。2012年に那珂川町(現・那珂川市)で菰田法律事務所を開業した。そのわずか1年後には法人化、同時に2拠点目となる博多オフィスを開設。
経営理念に「すべての人・企業の人生を豊かにする」を掲げ、士業がもっと世の中の役に立てるものであることを社会に広めるため、「弁護士=交渉や訴訟の代理人」という固定概念に縛られない新しい士業のかたちを追求し続けている。
「私たちは専門分野のサービス業なのです。とにかくクライアントの満足が第一、プラスαの価値を提供し、クライアントが喜び潤う姿を見たい」と語る菰田氏。圧倒的スピードで成長してきた原動力には、クライアントファーストの熱い想いが溢れている。
クライアントにとってのベストを常に考える同社は顧問弁護士への相談時間を繰り越しできるという画期的な契約方法「フレックス顧問契約」を導入。19年10月までで契約は150件となり、全国15都道府県に顧問先を展開している。
デジタルシフトで、時代に対応した取り組みを
同社のスピーディーな対応の背景には、大きく分けて2つの理由がある。1つは人材面だ。社員は20、30代が多く、新人の時からさまざまな実務経験を積ませ、生きたスキルを身に着けていることだ。年齢が近く目標となる先輩たちがいることで風通しが良く、すぐに周りに相談できる環境が個々の成長を促進させているのだ。若手の柔軟な決断力と実行力が十分に発揮できているといえる。
もう1つは設備面。同社では早くからデジタルトランスフォーメーションに着手。社内やクライアントとのコミュニケーションにはチャットツール「Chatwork(チャットワーク)」を活用。スケジュール管理・顧客管理・会計管理などを行う社内管理システムには「Kintone(キントーン)」を使用し、クラウド上で一括管理している。データは「OneDrive(ワンドライブ)」で共有。さらに顧客との打ち合わせや新規の相談にはウェブ会議サービス「ZOOM(ズーム)」を使い、業務の効率化を図っている。
どのツールもクラウド上で操作できるため、PCでなくとも、タブレット端末があればインターネットがつながる環境さえあればどこででも気軽に業務を行うことができるのだ。
「弁護士に限らず、事務所スタッフも同じ環境で業務を行っているので何かトラブルで事務所に来られない場合、自宅から普段通りの業務ができます。何より、現地の待ち時間や移動時間など、ちょっとした空き時間でもタブレットさえあれば業務を行えるので今までと比べると圧倒的に業務効率が上がっています」と菰田氏は力強く答える。
また、今までは紙で保管することが基本だった裁判記録の電子化や電子FAXへの切り替え、電子書籍での保管など、ペーパレス化を進めたおかげで社員たちにとって手間だった業務が軽減された。働く側からしても、IT化が進み面倒な作業が減ることは大きなメリットだ。
(つづく)
【藤谷 慎吾】
<COMPANY INFORMATION>
所在地:福岡市博多区博多駅前2-20-1大博多ビル8F
設 立:2013年1月
資本金:500万円
T E L:092-433-8711
U R L:https://www.komoda-law.jp
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