
神棚に置くサカキの国産需要が高まっている。周年出荷が難しく出荷量が不安定だったため、安価で手に入りやすい中国産に押されていたが、生産組合の立ち上げや生産振興策が実り、課題を克服。潜在的にあった国産需要に応えつつある。JAながさき西海は増産のため、JAでは珍しいサカキ単独の部会を立ち上げた。(木村隼人)
部会を新設担い手育成
JAながさき西海は18年にJAサカキ部会を新設した。元々ホオズキなどを生産する花き花木部会の一部だったが、JAの部会再編やサカキの引きの強さから独立に踏み切った。 設立に合わせ、JAは部会と協力して生産を支える「世知原サカキサポートシステム」を整えた。部会が収穫作業員と結束作業員を雇う仕組み。栽培を断念した農地を作業員が担うことで部会の収量を維持する。既存の生産者も結束作業が負担になっている場合は作業を委託でき、収穫・管理に専念できる。システムを整備したことで通年の安定出荷を実現した。 約30人の部会員は19年産で10万束以上の出荷を達成するなど、出荷量は増えつつある。部会長の前田陽子さん(43)は「市場からの要望に応えられるように生産量を伸ばしたい」と意気込む。 サカキ生産量全国2位の鹿児島県は、新規生産者の養成講座を毎年開く。20人の定員が満員になるほどの人気だ。県森林経営課は「参加者の就業定着率は18年で3割。今後は4割以上を目指す」と意気込む。 同県森林技術総合センターは生産者の負担軽減を目指す。サカキは限られた土地で多く収穫するため樹高が高くなる傾向がある。4、5メートルまで伸びると高齢の生産者にとっては負担が大きい。「台切り」で低い樹高でも効率的に収穫できる栽培方法を探る。
価格上昇し輸入量減少
これまで国内に出回るサカキは9割が中国からの輸入品(ヒサカキ含む)だった。だが、近年の輸入量は減っており、2019年は11年に比べ約2割少なかった。理由は価格の上昇だ。市場関係者は「関税や中国の人件費の高騰が要因の一つ」と指摘する。 一方で需要は底堅い。サカキなど花きの卸売業などを担う九州日観植物は、輸入品3、国産品7の割合で扱う。「両者の価格差は2倍近くある」(同社担当者)が、近年の傾向として「サカキは日本の神棚に供えるものなので、国産品への切り替えが始まっている」(同)という。
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