これらの投資によりLonza社(SIX: LONN)がスイスに持つ施設での原薬製造能力の倍増、Rovi社(BME: ROVI)がスペインに置く施設での配合、充填、および完成までの製造能力と原薬製造能力の倍増、およびモデルナの米国施設での原薬製造能力の50%増が可能となります。またこれらの投資が完了した段階では、確約済み数量の供給に使用する原材料と完成品の安全在庫も拡大します。モデルナは自社と提携先製造施設での投資を2021年内に開始し、これらの投資による生産量拡大は2021年遅くから2022年初めに反映され始める見込みです。モデルナはまた本日、2021年の製造能力の予測を8億〜10億回分へと引き上げました。
本日発表された生産量拡大は、最近発表されたCatalent社とSanofi社による米国での配合、充填、および完成能力拡大に加えて行われるものです。モデルナと他の提携先との交渉もすでに大きく進展しています。
モデルナの最高経営責任者(CEO)であるステファン・バンセル(Stéphane Bancel)は次のように述べています。「新型コロナウイルス変異株が急速に拡大していることを踏まえ、モデルナのmRNA新型コロナワクチンと変異株向けブースターワクチン候補薬への大きな需要が2022年と2023年にも継続すると考えています。各政府からは、mRNAワクチンの優れた有効性と変異株に対応するために必要なスピードをもって製造能力拡大を信頼できる形で進めることのできる技術がないと聞かされています。モデルナは本日、スペイン、フランス、およびベルギーを含む欧州と米国での投資により、基本ワクチンと変異株向けブースターワクチンの割合がどのようになるかの状況に応じて、2022年には最大30億回分の供給が可能となることを発表しました。製造を受け持つ提携先各社の努力と取り組みに感謝しています。モデルナはこれら各社と共に、このパンデミックを可能な限り早急に終わらせることができるよう、クラス最高の変異株向けブースターワクチンの開発を継続します。」
2021年4月14日のVaccines Dayにて発表したように、モデルナは2022年およびそれ以降にはブースター接種に対する大きなニーズが生じるため、この供給能力拡大への投資が必要であると考えています。モデルナは免疫能力の低下によりワクチンの有効性が12か月以内に影響を受けると予測した研究結果(※1)や、問題となっている変異株では最初の中和抗体価が低く(※2)、すでに感染したかワクチン接種済みの人々においてブレイクスルー感染を引き起こす可能性があるとの研究結果(※3)を踏まえ、今後の変異株向けブースターワクチンの必要性がさらに複雑なものになり得ると予測しています。
モデルナはまた同じくVaccines Dayにて、新型コロナウイルスに対する継続的なワクチン接種への世界的なニーズに応えるうえで、mRNAが最も好適な技術プラットフォームであると考えていることも明らかにしました。このモデルナの考えは、mRNAワクチンが承認済みワクチンの間で最も公表されている有効性が高く、mRNAプラットフォームについては問題となっている変異株を含む新型コロナウイルスに迅速に対応できることが立証されており、またmRNA技術には多価ワクチンを生産できる可能性があることに基づいています。モデルナは今年に入ってから、変異株の新型コロナウイルスと多価ワクチンの試験をすでにヒトにおいて行っていることを発表しています。
モデルナは進行中の変異株を対象とした臨床試験の結果を観察し、ブースター製品戦略の開発をさらに進めることにより、2022年の供給状況について他よりも優れた予想を立てられるようになります。この供給状況には、1回接種用のブースターワクチン、成人向けの基本ワクチン(2回接種)、およびより低用量となる可能性のある小児向けの基本ワクチン(2回接種)の割合がどのようになるかによって大きく影響を受けます。
モデルナはまた本日、モデルナ製新型コロナワクチン(mRNA-1273)の現在の製剤形態において、医療現場やより小規模な接種現場への流通がより容易になる代替フォーマットのワクチンが承認された場合、そのフォーマットにて冷蔵下(2〜8℃)で3か月の有効期限を裏付ける開発中のデータも発表しました。モデルナ製新型コロナワクチンは現在、冷蔵下(2〜8℃)で最長1か月間、標準的冷凍下(-20℃)では最長7か月の保存が承認されています。モデルナ製の新型コロナワクチンはまた、接種現場での希釈を必要としない唯一の承認済みmRNAワクチンです。モデルナはまた、冷蔵下での保存期間をさらに延長する、mRNA-1273の新たな製剤形態と次世代ワクチン(mRNA-1283)の開発も進めていることを明らかにしました。
モデルナの新型コロナワクチンについて
モデルナの新型コロナワクチンは、新型コロナウイルスをターゲットとして融合前の安定化した形態のスパイク(S)タンパクをコードするmRNAワクチンであり、モデルナとアメリカ国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)Vaccine Research Centerの研究者らにより共同開発されました。Coalition for Epidemic Preparedness(CEPI)から資金を得て開発された最初の臨床試験用ロットは2020年2月7日に完成し、分析試験のためシーケンス選択から42日後の2020年2月24日にアメリカ国立衛生研究所(NIH)に送られました。NIAID主導のモデルナ製新型コロナワクチンの第I相試験の最初の被験者に対しては2020年3月16日に接種が行われ、シーケンス選択から第I相試験での接種までの期間は63日でした。2020年5月12日にはFDAがモデルナの新型コロナワクチンをファーストトラックの対象に指定しました。2020年5月29日には各年齢群の最初の被験者がこのワクチンの第II相試験にて接種を受けました。2020年7月8日にはこの第II相試験への被験者登録が完了しました。
モデルナの新型コロナワクチンを対象とするNIH主導の第I相試験から、56〜70歳と71歳以上のグループに関する第2回の中間分析の結果が2020年9月29日にThe New England Journal of Medicine誌に発表されました。2020年11月30日にモデルナは、196のケースを対象として行われた第III相試験からの主要有効性解析の結果を発表しました。同じく2020年11月30日にモデルナはアメリカFDAに緊急使用許可(EUA)を申請し、また欧州医薬品庁(EMA)にConditional Marketing Authorization(CMA)を申請したことも明らかにしました。2020年12月18日には、18歳以上の人に対するモデルナの新型コロナワクチンの緊急使用がFDAから承認されました。モデルナはまた、カナダ、イスラエル、欧州連合、英国、スイス、シンガポール、カタール、および台湾の厚生当局からもこの新型コロナワクチンに対する承認を得ています。現在、他の国とWHOでも承認に向けた審査が行われています。
モデルナの変異株向けブースターワクチン候補薬の前臨床試験からのデータは、査読前論文としてbioRxivにすでに投稿され、また査読ありの学術誌にも投稿の予定です。これらの変異株向けワクチン候補薬には、南アフリカで初めて特定されたB.1.351と呼ばれる新型コロナウイルス変異株をより限定的にターゲットとしたmRNA-1273.351、およびmRNA-1273(原型となる系統についてモデルナが承認を得ているワクチン)とmRNA-1273.351をひとつのワクチンに組み合わせた、多価ブースターワクチン候補薬であるmRNA-1273.211が含まれます。3種類のブースト戦略を評価するモデルナの第II相試験が現在進行中です。
アメリカ合衆国保健福祉省(HHS)のOffice of the Assistant Secretary for Preparedness and Response(ASPR)に所属するBiomedical Advanced Research and Development Authority(BARDA)は、契約番号75A50120C00034に基づく資金供与を通じて引き続きモデルナの新型コロナワクチン開発を支援しています。BARDAはこの契約の下で進められているプログラムについて、モデルナが負担した正当な費用の全額を補償します。アメリカ政府はアメリカ国防総省の契約番号W911QY-20-C-0100に基づき、モデルナが供給するmRNA-1273を購入することに同意しています。
承認された用途
モデルナの新型コロナワクチンは、18歳以上の人において、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)によって引き起こされるコロナウイルス疾患を予防するための能動免疫措置として、緊急使用許可(EUA)の下での使用を承認されています。
重要な安全情報
- モデルナの新型コロナワクチンは、このワクチンの成分のいずれかに対して重篤なアレルギー反応(例:アナフィラキシー)を起こした既往歴のある人には接種しないでください。
- モデルナの新型コロナワクチンの接種後に急性アナフィラキシー反応が生じた場合に備え、即時型アレルギー反応に対応した適切な治療を直ちに行えなければなりません。モデルナの新型コロナワクチンの接種を受けた人については、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のガイドライン(https://www.cdc.gov/vaccines/covid-19/clinical-considerations/managing-anaphylaxis.html)に基づき即時型有害事象の発生を監視してください。
- 免疫抑制治療を受けている人を含め、免疫が低下した人ではモデルナの新型コロナワクチンへの反応が低下することがあります。
- モデルナの新型コロナワクチンはすべてのワクチン被接種者を保護できるとは限りません。
- 臨床試験からは、モデルナの新型コロナワクチン接種後の有害事象として接種部位の痛み、疲労感、頭痛、筋肉痛、関節痛、寒気、悪心/嘔吐、腋窩の腫れ/圧痛、発熱、接種部位の腫れ、および接種部位の紅斑が報告されています。
- 臨床試験以外の集団予防接種においては、アナフィラキシーを含む重篤なアレルギー反応がモデルナの新型コロナワクチン接種後に報告されています。
- 妊娠中の女性へのモデルナの新型コロナワクチン接種に関するデータが不十分なため、ワクチン接種に伴う妊娠へのリスクは不明です。母乳を与えられている乳児、または母乳生産/分泌に関するモデルナの新型コロナワクチンの影響を評価できるデータは存在しません。
- 一連のワクチン接種を完了するにあたり、モデルナの新型コロナワクチンと他の新型コロナワクチンとを相互に入れ替えて使用できるか否かに関するデータは存在しません。モデルナの新型コロナワクチンの接種を1回受けた人は、第2回目もモデルナの新型コロナワクチンを使用して接種を完了する必要があります。
- モデルナの新型コロナワクチンの使用拡大に伴い、重篤なものを含めてさらに他の有害事象が明らかになる可能性があります。
- ワクチン接種を行う機関には、オンラインでのVAERS(https://vaers.hhs.gov/reportevent.html)記入とレポート提出が義務付けられています。VAERS提出の詳細については1-800-822-7967まで電話でお問い合わせください。このレポートの「description」欄には「Moderna COVID-19 Vaccine EUA」と記入してください。
さらなる詳細はFact Sheet for Healthcare Providers Administering Vaccine (Vaccination Providers) とFull EUA Prescribing Informationをご覧ください。
※1 https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.03.09.21252641v1.full.pdf
※2 https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.01.25.427948v1
※3 https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2105000
モデルナ社について
モデルナは、創業から10年間で、メッセンジャーRNA(mRNA)分野の科学研究段階の企業から、6つのモダリティにわたるワクチンと治療薬の多様な臨床ポートフォリオ、mRNAと脂質ナノ粒子製剤を含む分野の幅広い知的財産ポートフォリオ、および大規模かつ前例のない速度での臨床生産と商業生産の両方を可能にする統合製造工場を持つ企業へと成長しました。モデルナは、米国内外のさまざまな政府および商品化協業者との連携により、革新的な科学と速やかな製造拡大の両方の追求を実現しています。最近では、モデルナの能力を結集した結果として、新型コロナウイルス感染症拡大に対する最も早く最も効果的なワクチンのひとつが認可され、使用が可能になりました。
モデルナのmRNAプラットフォームは、基礎および応用的研究、医薬デリバリー技術、製造の継続的な進歩に基づいて構築されており、感染症、免疫腫瘍学、希少疾患、循環器疾患、および自己免疫疾患のための治療薬とワクチンの開発を可能にしています。現在、これらの治療領域全体で24の開発プログラムが進行中であり、13のプログラムが臨床段階に入っています。過去6年間、Science誌によってトップのバイオ医薬品企業に選出されました。さらなる詳細は、www.modernatx.comをご覧ください。
将来予測に関する表明
本プレスリリースには、新型コロナウイルス感染症を引き起こすSARS-CoV-2ウイルスから守るワクチン(mRNA-1273)の開発、モデルナの新型コロナワクチンの供給拡大に向けた投資、将来生産される可能性のある予想用量数と製造タイミング、2021年と2022年のワクチン供給予測、ワクチン製造のためのmRNAベースのプラットフォームの利点、長期的に新型コロナウイルス感染症に対抗するモデルナの新型コロナワクチンの能力、新型コロナウイルスの亜種に対するワクチンを開発するモデルナ社の能力、およびそれらの亜種特異的ワクチンによってもたらされる保護、 新型コロナウイルスとその変異株に対する追加免疫ワクチンの必要性、およびそれらの追加免疫ワクチンの潜在的な投与量、変異株固有のブースターの臨床試験の実施、既存ワクチンからの新型コロナウイルスに対する保護期間、モデルナの新型コロナワクチンを出荷および保管できる条件、および冷蔵温度で安定した当社のワクチンのバージョンを開発するための取り組みを含め、1995年度米国民事証券訴訟改革法の意味の範囲内における将来予測に関する表明が含まれています。将来予測に関する表明は、「予定」、「可能性」、「となると思われる」、「実現可能性」、「期待」、「意図」、「計画」、「目的」、「予測」、「確信」、「推測」、「予想」、「可能性としての」、「継続」、あるいはこれらの否定形またはその他同等な用語により判断できる場合がありますが、ただしすべての将来予測に関する表明がこれらの語句を含むわけではありません。本プレスリリース中の将来予測に関する表明は約束と保証のいずれでもなく、それらには既知および未知のリスク、不確実性、およびその他の要因が関わり、その多くはモデルナ社の統制の範囲外にあり、かつ実際の結果を将来予測に関する表明に表現されている、あるいはそれから黙示的に示されるものから大きく異なる可能性があるため、読者の皆様にはこれらの将来予測に関する表明に対して過度に依存しないようお願いいたします。これらのリスク、不確実性、およびその他の要因には、mRNAテクノロジーを使った商業製品が承認されたことはこれまでになかったこと、モデルナ社が使用するラピッド・レスポンス・テクノロジーは未だ開発および導入の途上にあること、これまでに観察されたモデルナの新型コロナワクチンの安全性、忍容性、および有効性プロファイルは治験データの進行中の分析または商業化後に不利に変化する可能性があること、モデルナの新型コロナワクチンが新型コロナウイルスの亜種に対して効果が低いことが判明する可能性があること、またはこれらの亜種に対するワクチンの将来のバージョンの開発が不成功に終わる可能性があること、 モデルナ社はFDAまたはその他の規制機関とのやり取りを継続しているが、FDAまたはそのような他の規制機関がモデルナ社による許認可戦略、臨床試験の設計、実施、および方法を含めた提出書類の内容に対して同意しない、あるいは提出したデータが不十分であるとして同意しない可能性、モデルナの新型コロナワクチンの製造または供給の計画達成が遅れたり流通計画が中断したりする可能性があること、生物製剤のライセンス申請および追加の緊急使用許可申請が提出されたさまざまな管轄区域において最終的に規制当局によって承認されるかどうか、またいつ承認されるのかの不確実性、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大による許認可審査の遅れ、製造とサプライチェーンの混乱、医療システムへの悪影響、およびグローバル経済の混乱をはじめとする悪影響の可能性、および米国証券取引委員会(SEC)のウェブサイトから入手可能な、モデルナ社がSECに直近で提出したフォーム10-K年次報告書およびそれ以降にSECに提出した書類の「Risk Factors」欄に記載されたリスクと不確実性が含まれています。法によって求められる場合を除き、モデルナ社は本プレスリリースに含まれるいずれの将来予測に関する表明についても、新たな情報、将来的な展開、あるいはその他のいずれを理由とするかを問わず、更新または改訂する意図または責任を否認します。これらの将来予測に関する表明はモデルナ社の現時点での予測に基づくものであり、本プレスリリースの日付においてのみ有効です。
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