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Thursday, May 6, 2021

Pentium N4200/8GBへパワーアップした7型2in1「ドン・キホーテ NANOTE P8」 - PC Watch

pasokpatokin.blogspot.com
NANOTE P8

 ドン・キホーテは4月21日、去年(2020年)出荷したNANOTEシリーズの後継機「NANOTE P8」発表。7型2in1の特徴はそのまま、プロセッサをPentium N4200、メモリを8GBへと大幅にパワーアップした。編集部から旧モデルとともに実機が送られて来たので試用レポートをお届けしたい。

Pentium N4200/8GB/eMMC 64GBの7型2in1

 ベースとなったNANOTEは、2020年4月に発表。スペックはタッチ対応7型フルHD(1,920×1,200ドット)、Atom x5-Z8350、4GB、eMMC 64GBの2in1だった。価格は21,780円。最近あまり見かけなくなった超小型の2in1、そして衝動買いしやすい価格帯と、好きな人には響いたモデルとなったようだ。

 今回ご紹介するNANOTE P8は、ルックスやインターフェイスはそのまま、プロセッサをPentium N4200へ、メモリ容量を8GBへ強化したモデル。どちらも前モデルと比較して、結構なパワーアップとなる。ただしストレージはeMMC 64GBのままなのは残念なところか。またMicro HDMI/HDMI変換アダプタが、横にあるUSBコネクタに干渉するため変換ケーブルに変更された。主な仕様は以下の通り。

ドン・キホーテ「NANOTE P8」の仕様
プロセッサ Pentium N4200(4コア4スレッド/1.1GHz~2.5GHz/キャッシュ 2MB/TDP 6W
メモリ 8GB(2GB×4)
ストレージ eMMC 64GB
OS Windows 10 Home(64bit)
ディスプレイ 7型IPS式フルHD(1,920×1,200ドット)、光沢、10点タッチ対応
グラフィックス Intel HD Graphics 505、Micro HDMI(HDMI変換ケーブル付属)
ネットワーク Wi-Fi b/g/n、Bluetooth 4.0
インターフェイス USB 3.0/Type-A、USB Type-C(充電用)、30万画素Webカメラ、音声入出力、microSDカードスロット
バッテリ/駆動時間 2,050mAh/最大約7時間
サイズ/重量 約181×113.6×19.6(幅×奥行き×高さ)/約560g
価格 32,780円

 プロセッサはPentium N4200。4コア/4スレッド、クロックは1.1GHzから最大2.5GHz。キャッシュは2MB、TPは6W。Atom x5からのパワーアップなので、良くはなっているものの、それでも2016年第3四半期に出荷されたApollo Lakeと、世代的にはかなり古い。過度な期待は禁物と言ったところだろう。

 メモリはLPDDR4 8GB。PCMarkのSystem Informationによると2GB×4となっていた。ストレージは変わらずeMMC 64GB。ここがSSDだと体感速度がかなり違うので残念なところ。OSは64bit版Windows 10 Home。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel HD Graphics 505。外部出力用にMicro HDMIを装備。HDMI変換ケーブルが付属する。ディスプレイは7型IPS式フルHD(1,920×1,200ドット)。光沢ありで10点タッチ対応だ。

 ネットワークはWi-Fi b/g/n、Bluetooth 4.0。この辺りはプロセッサの世代相応。その他のインターフェイスは、USB 3.0/Type-A、USB Type-C(充電用)、30万画素Webカメラ、音声入出力、microSDカードスロット。

 サイズ約181×113.6×19.6(幅×奥行き×高さ)、重量約560g。2,050mAhのバッテリを内蔵し、最大駆動約7時間。価格は少し上がって32,780円。1.1万円の値上げだ。プロセッサとメモリの強化を考えると妥当なところだろうか。

 筐体はオールシルバー。メタリックな感じでなかなかカッコいい。外観はコネクタの並びも含め旧モデルとまったく同じで、閉じたままだとどちらがどちらか見分けがつかない。サイズ感は扉の写真で分るように、片手で扱うことが可能だ。とは言え実測で566gあるため、長時間片手で持ち続けるには少しつらい重さとなる。なお旧モデルの重量は542g。若干重くなっている。

 ヒンジが360度回転し、通常のクラムシェルに加え、テントモード、スタンドモード、タブレットモードにも変形可能だ。

 前面は、パネル左上側にWebカメラ。キーボードのフットプリントを確保するためか、左右のフチが広めだ。手前側面左右にスピーカー。左側面は何もなく、右側面にUSB Type-C(給電用)、USB Type-A、Micro HDMI、3.5mmジャック、microSDカードスロットを配置。裏は四隅にゴム足。

 付属のACアダプタは写真からもわかるように、旧モデルと比較してかなり大きくなった。これは出力が5V/3Aから12V/3.5Aへ変わった関係だ。サイズ80×47×30mm(幅×奥行き×高さ)、重量149g。試しに手持ちのPD/65Wアダプタを試したが、充電はできなかった。

 また、旧モデルではMicro HDMI/HDMIアダプタだったが、冒頭に書いたように横のType-Aと干渉するため、Micro HDMI/HDMIケーブルに変更された。

 キーボードは日本語配列だが、無理に詰め込み、いびつな並びばかりとなる。キーピッチは主要キーで約16mm。打鍵感はストロークが深めでクリック感もあり、この手のマシンとしては悪くない。サイズがサイズなだけに、窮屈だが普通に両手で入力する方法に加え、両サイドを持って親指だけで押す方法もあるだろうか。

 また旧モデルと比較して、最上段、上から2段目、手前右側など配列もかなり違う。もし新旧同時に所有した場合、かなり混乱するだろう。どちらが正解か? は何とも言えないが、いずれにしても扱いづらいのには違いない。

 ポインティングデバイスは光学式、ボタンは物理的に2ボタンとなる。無いよりはいいのだが、(慣れの問題もあるだろうが)スムーズに扱うのは難しい。

旧モデルとの違い(1/3)。キーボード。最上段、上から2段目、手前右側がまったく違う
旧モデルとの違い(2/3)。ACアダプタ。サイズ約50×45×22mm、重量89g、出力5V/3A
旧モデルとの違い(3/3)。パッケージ。随分大きさが違う

 ディスプレイは光沢あり/10点タッチ対応の7型IPS式1,920×1,200ドット。比較したiPhone 12 Pro Maxが6.68型なので、それほど差がない。このクラスとしては、明るさ、コントラスト、発色、視野角すべて良い方で、ストレスは感じない。

 デフォルトのスケーリングは200%。ベンチマークテストなど、このスケーリングではうまく表示できないケースもあり、125%まではチャレンジした。

 余談になるが、現在筆者のメインディスプレイはベンキューの「SW240」で、24型1,920×1,200ドット。つまり解像度は同じでパネルサイズだけが異なる。NANOTE P8では、さすがにスケーリング100%では細か過ぎて見えないのは安易に想像できるだろう。200%にしてもタッチで操作するにはWindowsを構成している各パーツが細かく、操作は難しい。

測定結果1/白色点と黒色輝度
測定結果2/R・G・Bのリニアリティ

 i1 Display Proを使い特性を測定したところ最大輝度は164cd/平方m。写真を観るのに適していると言われる明るさ120cd/平方mは、最大から-2が134cd/平方m、-3が118cd/平方m。従って前者で計測した。

 黒色輝度は0.439cd/平方m。つまり(目視可能かは別として)黒が浮く。これまで計測してきた中では値が高い方だ。リニアリティは、特に青が赤/緑とはまったく違う。このカーブは補正用のものなので、補正前は画面が青っぽいことを意味する。黒の浮き具合と言い、昔と比較して良くなったものの、やはり価格並みのパネルという印象だ。

 振動やノイズは試用中まったく気にならなかった。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけると、裏面全体でかなり熱を持つ。熱いと思うレベルではないものの、ちょっと長時間持ちたくはない温度となる。

 サウンドは手前側面にスピーカーがあるため、持ち上げている時は直接耳に届き、机の上などに置くと、直接音と間接音のミックスとなる。後者の方がボリュームが上がる感じだ。音質的にはこの手のマシンとしては良い方だろう。出力は足らないもののYouTubeでMVなどを観てもあまり不満を感じないレベルだ。

 Webカメラは30万画素なのでおまけレベルだが、発色も含め荒いものの写り自体は自然。古のデジカメを思い出す感じだ。

 総じて超小型の筐体へ何とかすべて収めた感じに仕上がっている。ディスプレイの見え方と、キーボードをどう思うかで評価がわかれると思われる。

旧モデルと比較して明らかなパフォーマンスアップ!

 初期起動時、スタート画面は1画面。スタートメニューに新しく追加されるグループは特にない。デスクトップはWindows標準に加え、Microsoft Office Mobileのショートカットを配置している。また、画面のスケーリングは200%だった。個人差もあるだろうが125%までは何とか操作可能な範囲。実際、後述している各種ベンチマークテストは125~150%にして実行している。

 使用感は、一旦アプリを起動すればそれなりに動くが、eMMCの影響か、アイコンをクリックしてもすぐに反応せず、「あれ!?」と何度もクリックすることが多発した。もし次モデルがあるなら、ぜひSSDにして欲しいところだ。

 ストレージは64GB eMMCの「Generic SLD64G」。C:ドライブのみの1パーティションで約56GB割り当てられ空き31.4GBとかなり少ない。データ系はmicroSDカードへ逃すことになるだろうか。Wi-FiとBluetoothはRealtek製だ。

スタート画面(タブレットモード)。特に追加されたグループなどは無い
起動時のデスクトップ。Windows標準に加え、Microsoft Office Mobileのショートカットが並ぶ。スケーリングは200%
デバイスマネージャ/主要なデバイス。ストレージは64GB eMMCの「Generic SLD64G」。Wi-FiとBluetoothはRealtek製
ストレージのパーティション。C:ドライブのみの1パーティションで約56GB割り当てられている

 主なプリインストールのソフトウェアはMicrosoft Office Mobileのみ。ストレージ容量が少なく、無理に多くのアプリを入れても使い勝手が悪くなる。Microsoft Office Mobileはストアからダウンロードできるため、これも無しで良かったのではないだろうか?

 ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R23、CrystalDiskMark、PCMark 10/BATTERY/Modern Office。昨今のCore iマシンと比較すると、お世辞でもそこそことは言えないスコアが並んでいる。実際、各種ベンチマークテストをインストールするだけでもかなりの時間がかかっている。

 参考までに旧モデルNANOTEのPCMark 10とCrystalDiskMark、そしてPCMark 10/BATTERY/Modern Officeの結果を併記した。PCMark 8と3DMarkは、本機でさえこのスコアなので省略。いずれにしても本機の方が全てにおいて高いスコアになっているのがわかる。

 PCMark 10/BATTERY/Modern Officeは3時間25分(明るさ、バッテリモードなどはシステム標準)。仕様上の最大約7時間の約半分となる。用途や使い方にもよるだろうが、モバイルデバイスでこのバッテリ駆動時間は厳しいかも知れない。とは言え、旧モデルと比較すると約30分ほど長く作動した(逆かと思っていた)。

PCMark 10 v2.1.2508
NANOTE P8 NANOTE
PCMark 10 Score 1,331 827
Essentials 3,525 2,488
App Start-up Score 3,254 2,211
Video Conferencing Score 4,099 3,211
Web Browsing Score 3,285 2,162
Productivity 1,969 1,080
Spreadsheets Score 2,205 945
Writing Score 1,759 1,236
Digital Content Creation 923 572
Photo Editing Score 1,065 689
Rendering and Visualization Score 550 323
Video Editting Score 1,343 843
PCMark 8 v2.8.704
Home Accelarated 3.0 1,428
Creative Accelarated 3.0 1,294
Work Accelarated 2.0 2,246
Storage 4,473
3DMark v2.17.7166
Time Spy 113
Fire Strike Ultra n/a(途中でerror)
Fire Strike Extreme 138
Fire Strike 285
Sky Diver 1,232
Cloud Gate 2,244
Ice Storm Extreme 14,538
Ice Storm 19,181
CINEBENCH R23
CPU 480 pts
CPU(Single Core) 287 pts
CrystalDiskMark 6.0.0
NANOTE P8 NANOTE
Q32T1 シーケンシャルリード 172.246 MB/s 125.113 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト 113.622 MB/s 93.149 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード 21.317 MB/s 21.227 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト 23.204 MB/s 20.107 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード 22.531 MB/s 22.164 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト 25.254 MB/s 17.202 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード 21.791 MB/s 16.017 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト 20.367 MB/s 13.980 MB/s

 以上のようにドン・キホーテ「NANOTE P8」は、NANOTEのプロセッサとメモリをパワーアップした7型2in1だ。ベンチマークテストの結果からもその効果が十分表れている。

 旧モデルと比較して約1万円の値上げとなるが、それでも32,780円。衝動買い可能な範囲。小型なだけに一般的ではないものの、響く人には響くマシンだ。「お!」っと思った人に是非試して頂きたい1台と言えよう。

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