少子化の一方、不登校や発達障害、外国人など個別支援が必要な子どもが増えている。個々の特性に応じた学びの提供には、市町や学校の枠を超えた支援が欠かせない。

「学校に行けなくたって何にも悪くないのよ。どの子も本当に優しくて立派」。島田市のNPO法人もみの木の創設者池谷信子さん(85)は、そうほほ笑む。約30年間、育児相談やカウンセラー養成と並行し、自宅で不登校の子どもに居場所を提供してきた。信条は「子どもの呼吸に寄り添う」。体験活動に取り組むフリースクールには、現在も市内外から5~8人が通う。
勉強や工作、卓球…。活動は子どもの思いと主体性が第一。スタッフの雨宮靖子さん(66)は「不登校の要因は本人でも説明できないことが多い。怠けでもサボりでもなく限界まで頑張った結果」と捉える。自分が肯定的に受け入れられる居場所で過ごすうち、通学を再開する子も多い。
NPO法人の理事長を引き継いだ中川松枝さん(69)も自宅にフリースクールを開設した。「民間施設への理解が広まれば、学校に行けない子の選択肢が増える」と多様な学びを支える。ただ、こうした民間施設の利用を指導要録で出席扱いにするかは市町や学校で判断が異なるという。
学校現場では、コロナ下で整備した1人1台端末を不登校支援に活用する試みが始まっている。磐田市の竜洋中では不登校の生徒が端末を使い、学校用のクラウド上で教員とメッセージをやりとりしている。太田勝久教頭は「家庭訪問や電話連絡も行うが、より気軽に学校とつながりを持つことで登校のハードルが下がれば」と期待する。今後はリモート授業やドリルソフトの学習を指導要録で評価する仕組みを検討するという。
学校が不登校を問題視する風潮は変化しつつあるが、個々の子どもを最適な学びの機会につなぐ支援が一層求められる。同市の村松啓至教育長は「子どもの多様性に対応するには、人と人とのつながりが必要。県全体で支援員を増やしてほしい」と訴える。
(政治部・杉崎素子)
<メモ>文部科学省調査によると、2019年度の県内小中学校の不登校生は6410人。児童生徒1000人当たりの人数は22.2人で、全国5番目に多かった。児童生徒の全体数は10年前に比べ約1割減ったが、不登校の人数は1.6倍に増えている。県教委によると、不登校の子どもが利用できる公設の適応指導教室は、県と28市町が45カ所に設置している。一方、フリースクールや居場所などの民間施設は運営形態が多様で、全体数を把握できていないという。
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