東北電力などが共同出資する勿来(なこそ)火力発電所9号機(福島県いわき市、最大出力60万キロワット)が設備トラブルで30日早朝までに停止した。東京電力ホールディングス(HD)や東北電力などに電力を供給している。30日夕までに復旧する見通しだが、電力需給はなお予断を許さない。
勿来火力でつくる電力のうち30万キロワット分は東電管内で使う。東電は30日午前に計画停止中だった姉崎火力発電所5号機(千葉県、最大出力60万キロワット)を再稼働した。勿来火力のトラブルで、30日に想定していた供給上積み分が目減りする。
東電は30日、同日夕の電力需給が「厳しい」水準になるとの予測を示した。需給の厳しさを示す電力使用率は午後4時台に95%まで上昇する見込み。経済産業省は27日から4日連続で注意報を継続する。
電力使用率は需要量と供給力などを基に示す。30日午後0時50分時点の想定で、午後4時台の予想需要は5336万キロワット、供給力は5634万キロワットとなっている。安定供給には使用率を最大でも97%までにとどめる必要がある。30日午前7時台の使用率は87%だったが、午前10時台には95%まで上昇した。
経産省の担当者は「きょうの安定供給に必要な分は確保されている」と述べた。連日の注意報発令にもかかわらず、夕方に供給力を確保できている理由を「節電で数十万キロワット規模の効果がある」と分析。工場などの自家発電も貢献しているという。
電力広域的運営推進機関は、30日午前10時すぎ時点の見込みで、30日の電力需要に対する供給の余力を示す「予備率」が午後4時30分から午後5時に3.0%と最も厳しくなるとみる。経産省や東電は、企業や家庭に午後3~6時まで、無用な照明をなるべく消すなどの節電を要請している。
【関連記事】
からの記事と詳細 ( 福島・勿来火力発電所が停止 姉崎5号機は再稼働 - 日本経済新聞 )
https://ift.tt/FjLN1qb
No comments:
Post a Comment