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Thursday, June 23, 2022

ノルウェー、EUにガス供給拡大 ロシア産減少に対応(写真=ロイター) - 日本経済新聞

【ウィーン=押切智義】ノルウェー政府は23日、欧州連合(EU)に対するガス供給を拡大すると発表した。EUがウクライナへの支援を強める中、ロシアが欧州諸国へのガス供給を減らす事態が相次いでいる。EU域内のガス消費の4分の1を供給するノルウェーが生産を増やし、影響を緩和する狙いがある。

同国政府は声明で「短期的にも長期的にもガス供給を増加させる目的で関係を強化することに合意した」と語った。2022年には100テラワット時(1000億キロワット時)分のガスが追加で欧州に供給される可能性があるという。

ロシア産のガスを巡っては、同国国営ガスプロムがドイツに送る主要パイプラインの供給量を従来計画から削減する方針を示すなど、供給が絞られる事態が続いている。EUの気候政策責任者は欧州議会で23日、12カ国がロシアからのガス供給削減の影響を受けていると語った。

EUが21年に輸入したガスは4割がロシア産だった。ウクライナ侵攻を受けたロシアへの制裁対象にガスは含まれていないが、調達先の多様化を急いでいる。米国とは3月に追加供給を受けることで合意。カタールやナイジェリアなど資源国との関係も強化している。欧州最大のガス生産国であるノルウェーの供給増によりロシア依存からの脱却を進める。

ウクライナでは激しい戦闘が続いている。東部ルガンスク州の要衝セベロドネツク市を巡り、同州のガイダイ知事は23日、SNS(交流サイト)で一部撤退もあり得ることを示唆した。ウクライナ軍はアゾト化学工場を拠点に抵抗を続けているが、ロシア軍の激しい攻撃が続く中、「より強化された新たな拠点に撤退する可能性も排除しない」と投稿した。

セベロドネツクはすでにロシア軍が大半の地域を支配している。西隣のリシチャンスク市とつながる橋もすべて破壊され、ロシア軍の包囲が進んでいた。ガイダイ氏によれば、化学工場を中心とした工業地帯では防御に使う構造物の多くが破壊されているとも指摘した。

リシチャンスクもロシア軍の包囲が進んでいる。23日には近郊の2つの集落がロシア側に制圧されたことが明らかになった。英国防省も23日、ロシア軍が南方から入る経路に向け19日以降で5キロメートル以上前進したと指摘した。

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