イランのジャバド・オウジ石油相は25日、都内で日本経済新聞などの取材に応じ、イラン核合意の再建は「イランの要求が満たされるか次第だ」と述べ、対イラン制裁の解除を待たずに原油の輸出回復をめざす考えを示した。ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー市場の混乱について「イランが価格の安定に貢献できる」と主張した。
オウジ氏は27日の安倍晋三元首相の国葬に参列するために訪日した。「エネルギー安全保障の観点からイランが確固たる供給国になり得る」と強調した。日本や欧州でエネルギー安保が課題となっているのを念頭に、イランとの取引再開を促した。
焦点となる核合意の再建交渉は停滞している。イランのライシ大統領は21日の演説で、米国が合意から再び離脱しない保証が必要だとの認識を改めて示した。オウジ氏は「核合意の行方を待っていてはならない」と話し、制裁下でもアジアや中南米などへの供給拡大をはかる考えを示した。
国際エネルギー機関(IEA)によると、イランは世界需要の1%強にあたる日量130万バレルの増産余力がある。オウジ氏は現在の原油生産能力を日量400万バレルと説明し「今後570万バレルまで引き上げたい」と語った。対米で連携するロシアとの資源分野での協力も「互いに有益だ」と主張した。
イランではスカーフの着用が不適切だったとして拘束された女性が死亡した事件を巡り、市民の抗議行動が続き、多数の死傷者が出ている。オウジ氏はイランの治安について「優れたものがある」と述べるにとどめた。国内情勢は外国からの投資誘致や企業活動の妨げにはならないとの見解を示した。
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