ロシア軍によるミサイル攻撃で発電施設が被害を受け、広い範囲で停電が発生しているウクライナでは、電力とともに暖房や水の供給についても懸命な復旧作業が続いています。
ロシア軍は16日に、ウクライナの首都キーウのほか東部や南部にミサイル攻撃を行い、ウクライナ側は東部のドニプロペトロウシク州で集合住宅が破壊され、赤ちゃんを含む4人が死亡し、13人がけがをしたと明らかにしました。
また、発電施設も被害を受けていて、広い範囲で停電が発生し、暖房や水の供給に影響が出ているとしています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、17日に公開した動画で「この1日でおよそ600万人に対し電力を復旧させることができた」と述べたものの、依然として暖房や水の供給について懸命な復旧作業が続いていることを明らかにしました。
こうした中、イギリスの国防省は18日、ロシア国防省が兵士の士気を高めるためにオペラ歌手や俳優、サーカスの団員などが含まれる部隊の設立を発表したことに触れ「ロシア軍にとって士気の低さが軍のぜい弱さにつながっていることは確実だ」と指摘しました。
そのうえで「兵士の懸念は非常に高い死傷率や指導力の低さ、装備や弾薬の不足、戦争の目的が明確でないことに集中している」などと分析し、新たな部隊はこうした懸念を解消できないとして、士気の低下は今後も続くという見通しを示しました。
また、ロシアのプーチン大統領が16日、ウクライナへの軍事侵攻を指揮する作戦本部を訪問しショイグ国防相や軍の幹部を激励したことについては、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」が「大統領府はプーチン大統領を有能な戦時の指導者として描こうとしている」と指摘しました。
「戦争研究所」は、大統領府には国内の強硬派の批判からロシア国防省を守るねらいがあったとしながらも、こうした試みは持続不可能だとして、ロシア国防省と強硬派との対立は続くとしています。
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