Trixie Yap Muyu Xu
[シンガポール 15日 ロイター] - 世界最大の独立系石油商社ビトルは15日、来年の世界の石油市場はかなり均衡する見通しで、小幅な供給超過になるとの見方を示した。
需要と石油輸出国機構(OPEC)以外の供給の伸びは予想を上回る見込みという。
同社の調査担当グローバルヘッド、ジョバンニ・セリオ氏がFTコモディティーズ・アジア・サミットで述べた。
世界の石油需要は2019年の水準を上回っており、今後も拡大する見通し。米国を除く大半の国で国内総生産(GDP)1単位当たりの石油消費量(原単位)が新型コロナウイルス流行前の水準に戻ったという。
一方、供給は抑制が必要な状態。近年の投資が低水準であるにもかわらず、サウジアラビアなどの主要産油国は追加の供給削減を実施している。非OPECの生産量も過去に記録した高水準を上回り、拡大が続いている。ナイジェリアの生産も予想以上という。
同氏は「需要は19年から日量230万バレル増加している。サウジは市場のバランスを取るため(自主減産を通じて)生産量を日量900万バレルとせざるを得ない」と指摘。供給は新型コロナ流行中のサウジの生産水準をわずかに上回る程度にとどめる必要があると指摘した。
北海ブレント先物は9月に年初来高値の1バレル=98ドル付近まで上昇したが、現在は82ドル台に下落している。
同氏は、中国ではガソリン車の販売が横ばいで推移しており、同国のガソリン需要がピークを過ぎたと判断するのは時期尚早だと指摘。
船舶用燃料の需要は、船舶の効率向上と代替燃料の利用拡大で横ばい傾向にある。
ジェット燃料の需要は来年には新型コロナ流行前の19年の水準に戻る見通し。この分野の脱炭素化は非常に難しく、ジェット燃料の需要がピークに達するのは2040年以降になる可能性が高いという。
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