大手総合不動産コンサルティングサービス・投資運用会社であるコリアーズ・インターナショナル・ジャパン株式会社は、「オフィス新規供給|2024年~2028年の新規供給の見通し|東京主要5区・大阪市、福岡市中心部」を発表した。このレポートは、コリアーズ・ジャパンが、東京主要5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)のグレードAオフィスビル※1と大阪市のグレードAオフィスビル※2福岡市のグレードAオフィスビル※3の新規供給量※4の見通しについて独自に収集したデータに基づいて分析したものだ。
2023年の1年間を振り返ると、東京におけるオフィスの新規供給面積は過去5年間で2020年に次いで供給量の多い1年となったのに対して、大阪では、過去5年で最大の供給量となった2022年の半分程度にとどまった。福岡市の新規供給床面積でも昨年2022年よりも減少となったが、いずれの都市においても、今後5年間に想定されるオフィスの新規供給面積は、過去5年間と比較して増加する見込みだ。
■東京:新規供給が増大するも、 2023年の賃貸オフィスマーケットは安定して推移
東京主要5区では、2023年のグレードAオフィスの新規供給床面積は、18万坪を超え、過去5年間で2020年に続いて供給量の多い1年となった。供給の増加によるマーケットへの影響が予想されたが、2023年の東京主要5区の空室率は概ね4%台で推移しており、空室率の変動は僅かにとどまった。
コロナ禍を経た働き方の変化を受けてオフィスの使われ方も様変わりしたことから、オフィス再編の動きが需要を下支えしたことが、安定した空室率の推移の背景にあると考えられる。
また、2024年の年間供給量は8万坪弱と予想され、2023年と比較すると少ない見通しではあるが、2025年以降に竣工を予定するオフィスビルの計画も多く、今後5年間の年平均供給量は15万坪に迫るとされており、東京では今後もオフィスの供給が続くと予想される。
東京主要5区の供給量のなかでは、東京駅八重洲口や日本橋周辺で大規模な再開発が行われている中央区が2024年からの5年間は新規供給が増加する見通しだ。
■大阪:2024年のオフィス新規供給量は、過去5年間で最大であった2022年を上回る見込み
大阪市中心部では、2023年のオフィス新規供給面積は約26,000坪と、過去5年で最大の供給量となった2022年の半分程度にとどまった。2024年にはオフィスビルを含む大型の再開発プロジェクトの竣工が複数予定されており、合計で6万坪を超えるオフィス面積が供給されると予想される。
梅田周辺では、今後も再開発によりオフィスビルの竣工が予定されているほか、今後5年間は淀屋橋エリアと本町エリアでも新規供給が増加する見通しだ。御堂筋に面した好立地に最新のスペックを備えたランドマーク的なオフィスが供給されることで、既存物件も含む周辺マーケットにインパクトを与えることが予想される。
■福岡:福岡市の再開発促進事業を受けてオフィス供給量が増加
福岡市中心部では、福岡市が老朽化したオフィスストックの更新と、市中心部の業務集積地域の活性化を目的として推進する再開発促進事業である「天神ビッグバン」と「博多コネクティッド」の両プロジェクトの後押しを受け、オフィス供給量が増加傾向にある。
天神中心部ではオフィスビルの供給が続き、今後5年間に供給されるオフィスの床面積は既存ストックの約60%に相当すると想定される。博多駅周辺でも駅西側の博多口エリアと東側の筑紫口エリアの両面で、今後オフィスの新規供給が見込まれる。
※1 東京主要5区のグレードAオフィス:東京主要5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)に立地する基準階面積が概ね300坪以上の規模のオフィスビルから、弊社がグレードAと分類するオフィスビルを対象としている。そのため、基準階面積が300坪未満と推定される物件、および主要5区以外の区に立地する物件は集計に含まれない。
※2 大阪市のグレードAオフィス:大阪市の中心ビジネス地区に立地する基準階面積が概ね100坪以上の規模のオフィスビルから、弊社がグレードAと分類するオフィスビルを対象としている。そのため、基準階面積が100坪未満と推定される物件は集計に含まれない。
※3 福岡市のグレードAオフィス:福岡市の中心ビジネス地区(概ね次ページの地図の範囲)に立地する基準階面積が概ね100坪以上の規模のオフィスビルから、弊社がグレードAと分類するオフィスビルを対象としている。そのため、基準階面積が100坪未満と推定される物件は集計に含まれない。
※4 新規供給量:貸床面積の合計
◎「オフィス新規供給|2024年~2028年の新規供給の見通し|東京主要5区・大阪市、福岡市中心部」詳細
健美家編集部
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