政府借り入れの増加と中央銀行のバランスシート縮小が債券利回りを押し上げると、ゴールドマン・サックス・グループが予想した。
ゴールドマンの金利戦略担当バイスプレジデント、ビル・ズー氏は主要先進国債券市場を分析。その結果、日本以外では公的債務の対国内総生産(GDP)比率が1ポイント上昇するごとに中期債利回りがこの10年に少なくとも2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇する可能性が高いと、17日のレポートで論じた。
債務のGDP比は中銀が保有する国債を除いて計算した。
9月と10月の債券売りの主因だった供給過多への懸念が再燃するのではないかという不安は、2024年年明けの上昇の中でも債券市場に取りついている。ほとんどの中銀が成長促進のために国債を買い入れることをやめているため、より多くの投資家を引きつけるためにより高い利回りが必要になるかもしれない。
ズー氏は「主要先進国の財政赤字と公的債務残高は、今年もそれ以降も高水準で推移するだろう」とした上で、ありそうなシナリオは「米国の中期金利が今後10年間で約55-65bp上昇するというものだ」と予測した。
この推計は、世界的な貯蓄率の低下に伴い債券供給に対する利回りの感応度が今後数年で上昇するという予想に基づいている。リポートによると、現在は債務が対GDP比で1ポイント増加するごとに利回りは1-1.5bp上昇しているが、2000年代半ばに見られた2-2.5bpの影響に戻る可能性が高い。
原題: Surging Debt Supply to Boost Global Yields, Goldman Sachs Says(抜粋)
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