香港の住宅販売は、政府の過熱抑制策が先月廃止されて以来、活気を取り戻している。ただ、供給過剰のため、価格の回復にはかなり時間がかかりそうだ。
不動産業者やアナリストによると、不動産取引はこの2週間で 急増したが、価格が上昇しつつあるという証拠はほとんどない。分譲用の集合住宅がだぶついているほか、高い借り入れコストと弱い経済の影響で、今後数カ月の価格の伸びが抑制されると予想されている。
不動産仲介業者ミッドランド・リアルティー(美聯物業)住宅部門のサミー・ポー最高経営責任者(CEO)によると、デベロッパーは今のところ在庫一掃に重点を置いており、市場の水準を上回る価格を付けることはないという。例えば、 恒基兆業地産(ヘンダーソン・ランド・デベロップメント)のベルグラビア・プレイスの販売第一弾は割安な価格設定で、圧倒的な 反響があったにもかかわらず、その後の売り出し分は1桁台の値上げにとどまった。
ポー氏は「市場には多くの在庫がある。値上げし過ぎれば、買い手は他のプロジェクトに流れてしまう」と指摘。ヘンダーソンが残りの物件の価格を大幅に引き上げることは予測していないとした。
この1年の不動産市場の低迷で、売れ残り住宅が積み上がっている。ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)によると、2023年10-12月(第4四半期)にプライマリー市場で購入可能な住宅戸数は前期比6%増の9万1300戸。21年から23年にかけて新築住宅の販売戸数は年平均でわずか1万3000戸にとどまっていることが、政府のデータで示されている。
コリアーズ・インターナショナル・グループのバリュエーション&アドバイザリーサービス責任者、ハンナ・ジョン氏(香港在勤)は「24年は取引件数という点では非常に良い数字が見込まれるが、市場競争もあり、金額面では依然としてマイナス成長を余儀なくされるだろう」と予測。市場が在庫をある程度吸収した後、10-12月期には価格が上昇するとの見通しを示した。
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原題: Hong Kong’s Apartment Glut Set to Keep Prices Down After Tax Cut(抜粋)
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