世界の石油市場は今年を通じて供給不足に直面する見通しだと、国際エネルギー機関(IEA)が予想した。従来は供給過剰を見込んでいたが、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が今年下期も減産を継続する様相であることを理由に挙げた。
OPECプラスは今月初め、合計で日量約200万バレルの減産を6月末まで延長することに 合意した。IEAは月報で、この減産が今年末まで実際続くだろうと予測。「石油市場の均衡を図るOPECプラスの取り組み」が背景にあると指摘した。
「前提条件が変更されたことにより、われわれが示唆する需給は先月の月報で見込んだ大幅な過剰ではなく、小幅な不足へと移った」とIEAは説明。今年の世界需要の予想もIEAは引き上げた。
OPECプラスは全体で減産を 完全に履行しているわけではない。石油消費の伸びは鈍化し、米州の潤沢な供給も続いているが、それでもOPECプラスの減産は原油価格の押し上げに寄与している。北海ブレント原油先物は13日の市場で、4カ月ぶりの高値となる1バレル=84ドル超で引けた。
原油先物が底堅い、米在庫減やウクライナのロシア製油所攻撃が下支え
IEAは今年の世界石油需要の拡大予想を日量11万バレル引き上げ、同130万バレルとした。米国の見通しが堅調なほか、紅海の混乱を避けるため遠回りを余儀なくされている船舶の燃料需要が増えるとみている。
IEAの石油市場担当責任者を務めるトリル・ボソニ氏はブルームバーグ・テレビジョンに対し、OPECプラスが年後半に生産を引き上げる余地はあるかもしれないとしつつ、現在の減産を7月から完全に巻き戻せば、石油市場は下期に供給過剰に戻る可能性があると語った。
原題: Oil Markets Face Supply Deficit All Year on OPEC+ Cuts, IEA Says(抜粋)
IEA Seems Some Room for OPEC+ to Boost Oil Output Later in Year(抜粋)
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