[20日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は20日、ロシアは北朝鮮に武器を供給する可能性があると述べ、西側諸国によるウクライナに対する武器供給に対抗する姿勢を示唆した。
プーチン氏はこれまでも、西側諸国がウクライナに高精度兵器を提供し、ロシア国内への攻撃に利用を容認していることを踏まえ、ロシアは西側諸国の敵対勢力に武器を供給する可能性があると警告していた。
この日、訪問先のベトナムで行った記者会見で「ロシアは北朝鮮などに武器を供給する権利を留保する」とし、北朝鮮と締結した合意を踏まえ、(兵器供給を)排除しない」と述べた。
その上で、北朝鮮との協力が西側諸国に対する抑止力となると期待していると指摘。ただ、北朝鮮の兵士をウクライナに派兵する必要はないとした上で、「ウクライナ紛争で相互の能力を何らかの形で利用する可能性についてロシアは誰にも要請しておらず、誰からも提案を受けていない。このため、そのような必要はない」と述べた。
<韓国への対応>
これについてプーチン大統領は、ロシアと北朝鮮が署名した条約について韓国は何も懸念する必要はないと言及。「この条約に基づく軍事支援は、ロシアまたは北朝鮮が侵略を受けた場合のみに実施される。私が知る限り、韓国は北朝鮮に対する侵略を計画していない」と語った。
同時に、韓国がウクライナに武器を供給することについて警告。「ウクライナの戦場に殺傷力のある兵器を供給することは大きな過ちだ」とし、 ロシアは「韓国に望ましくない形で対応する」と述べた。
<核ドクトリンの変更検討>
ロシアの潜在敵国が核使用のハードルを下げることに関連した「新たな要素」に取り組んでいるため、ロシアはドクトリンの変更を検討しているとし、「極めて低出力の核爆発装置の開発が進められている。西側の専門家の間で、こうした破壊手段が使用される可能性があるとの考えが出ていることをわれわれは承知している」と語った。
現行のドクトリンでは、ロシアが核攻撃を受けた場合、または通常兵器による攻撃で国家としての存立が脅威にさらされた場合などを核兵器使用の要件に規定している。
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