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Sunday, June 28, 2020

半導体供給網のブロック化、デバイス生産が弱い日本企業に活路は見えず - ITpro

テクノ大喜利

[米中分断後の半導体産業を読む]服部コンサルティング インターナショナル 服部 毅氏

全4617文字

 台湾TSMCが、米国アリゾナ州に最先端の半導体工場を建設すると発表した。総額120億米ドル(約1兆3000億円)を投じ、月産2万枚の5nmプロセスラインを構築するという。今回の決定は、米国政府による米国本土での生産の求めに応じたものだとされる。実際、発表に際して、TSMCは「米国の半導体エコシステムにとって最重要の戦略的意義を持つ」という声明を出している。米国では、米Intel(インテル)も米国内での生産体制の増強を計画しているという。

 これら一連の動きの背景には、米中の覇権争いの激化があることは確実だ。トランプ大統領は米国のテレビのインタビューの中で「世界のほんの一部が悪くなると、全体がめちゃくちゃになってしまうようなサプライチェーンはバカげている。そんなサプライチェーンを持つべきではない。全部米国内でつくるべきだ」とも語っている。電子機器のグローバルサプライチェーンから世界の工場である中国を切り離し、さらにはデータ駆動社会、安全保障上の戦略物資である最先端半導体を囲い込む動きが始まったように見える。

 米中分断が進めば、日本企業にも当然影響が及ぶ。そこで、今回のテクノ大喜利では、世界の電子機器のサプライチェーンが新たな枠組みへと移行することを見据えて、半導体関係企業に及ぶ影響、特に日本企業への影響について議論した。最初の回答者は、服部コンサルティング インターナショナルの服部 毅氏である。同氏はまず、図らずも世界に先駆けて半導体サプライチェーンのブロック化の必要性に迫られた韓国で起きたことを分析。そのうえで韓国企業と日本企業を取り巻く環境の違いに注目して、米中分断の影響を洞察した。

服部 毅(はっとり たけし)
服部コンサルティング インターナショナル 代表

服部 毅(はっとり たけし) 大手電機メーカーに30年余り勤務し、半導体部門で基礎研究、デバイス・プロセス開発から量産ラインの歩留まり向上まで広範な業務を担当。この間、本社経営/研究企画業務、米国スタンフォード大学 留学、同 集積回路研究所客員研究員なども経験。2007年に技術・経営コンサルタント、国際技術ジャーナリストとして独立し現在に至る。The Electrochemical Society(ECS)フェロー・終身名誉会員。マイナビニュースや日経xTECHなどに、グローバルな見地から半導体・ハイテク産業動向を随時執筆中。近著に「メガトレンド半導体2014-2023(日経BP社)」「表面・界面技術ハンドブック(NTS社)」「半導体・MEMSのための超臨界流体」(コロナ社)がある(共に共著)。

【質問1】世界の半導体サプライチェーンが分断されることで、どのような企業が追い風を受け、どのような機会を得ると思われますか?

【回答】自国企業にとっては新規参入や増産の機会、他国企業にとっては売り込みや現地工場進出の機会

【質問2】どのような企業が逆風を受け、いかなる影響を受けると思われますか?

【回答】取引が中止された際に代替の販売先を確保できない企業は業績悪化

【質問3】日本の半導体関連企業には、どのような影響が及ぶと思われますか?

【回答】国内にとどまっていてはビジネスチャンスをつかめないので、自己完結型のサプライチェーンを構築しようとしている国へ積極的に進出する必要がある

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