全1334文字
太平洋セメントは、フレッシュコンクリートに二酸化炭素(CO2)を効率よく固定するシステム「カーボキャッチ」を開発した。セメントと水を混ぜてスラリー状にしたセメントスラリーにCO2を供給し、炭酸カルシウムとして固定する。
カーボキャッチでは、CO2を満たした密閉容器内に、セメントスラリーを投入して循環させる。密閉容器は、セメントとの反応で消費したCO2と同量のCO2を随時供給する仕組みを持つ。水セメント比300%のセメントスラリーに、セメント1t当たり360kgのCO2を供給すると、そのうち93%を固定できる。セメントスラリーにCO2を直接吹き込む従来の技術「エアレーション」では固定率が20%ほどだった。
太平洋セメント中央研究所のセメント・コンクリート研究部固化・不溶化技術チームの早川隆之リーダーは、「カーボキャッチでは、できるだけCO2を無駄にしないシステムの開発を進めてきた」と話す。排ガスから回収したCO2などを使う。
CO2を吸収して炭酸化した「カーボキャッチ・スラリー」をコンクリートの材料の一部に置き換えることで、フレッシュコンクリート中にCO2を固定する。
カーボキャッチ・スラリーを使うと、炭酸カルシウムの影響でコンクリートの粘性が高まり、流動性の低下が想定される。そこで、AE減水剤の代わりに高性能AE減水剤を使ったり、練り混ぜ手順を工夫したりすることで、流動性の低下を防ぐ。一般的なコンクリートと比べ、スランプや空気量、圧縮強度などは同等の値だ。加えて、凝結時間の短縮やブリーディング量の抑制などの効果が確認できた。
製造手順は以下の通り。まずセメントと骨材を空練りする。それにカーボキャッチ・スラリーを投入して練り混ぜる。その後、水と混和剤を入れてさらに練り混ぜれば完成だ。分割して練り混ぜる方法は、一般的なコンクリートのように全ての材料を一度に練り混ぜるよりも、粘性が低くなるという。
からの記事と詳細 ( セメントに供給したCO2の9割超を固定、太平洋セメントが開発 - ITpro )
https://ift.tt/yK4IHfB
No comments:
Post a Comment