【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)欧州委員会は29日、新型コロナウイルスのワクチンで域外への輸出を許認可制とするEU規則導入を発表した。ワクチン製造元が相次いでEUへの供給削減を通告したのに対し、流出に歯止めをかける「強硬措置」に出た。
EU規則は、域内に製造拠点を置く製造元がワクチンを域外に輸出する場合、発送量や宛先の届け出を義務付ける内容。EU内で事前合意に基づく供給量が確保できない恐れがある場合、輸出は認められない。届け出制は3月末まで実施され、延長もできる。
英製薬大手アストラゼネカが今月、EUへの3月までの供給量を、事前に合意した量の4割以下に削減する、と通告したことが規制の契機になった。
同社は英国、ベルギー、オランダなどに生産拠点を置き、EUでは「英国にワクチンを優先供給している」との見方が強まっていた。
フォンデアライエン欧州委員長は規則導入の発表に際し、「EU市民の健康を守るため、必要な措置をとらねばならない」と述べた。
EUではアストラゼネカのほか、米製薬大手ファイザーも、ベルギー工場の体制見直しを理由に一時供給を削減。米バイオ企業モデルナはイタリア、フランスに対して供給量の約2割を削減すると通告した。
ワクチンは数週間以内に2度目を接種する必要があるため、供給不足を理由にフランスやスペインが接種計画の見直しを迫られた。
イタリアは、ファイザーとアストラゼネカを提訴する方針を示している。ベルギー当局は28日、EUの要請を受け、国内にあるアストラゼネカの生産拠点を査察した。
欧州でのワクチン逼迫(ひっぱく)に対応し、フランスの製薬大手サノフィ、スイス大手のノバルティスはそれぞれ、ファイザーのワクチン製造を支援する方針を発表している。
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