米国のバイデン政権は4月26日、米国内で製造された英国アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンを国外に供給する計画を発表した。同社製ワクチンの最大6,000万回分を今後数カ月以内に輸出するとしている。
ジェン・サキ報道官は26日の記者会見で、アストラゼネカ製ワクチンは米国内での使用が未承認である一方、国内では他の承認済みのワクチンを相当量確保できていると述べた。米疾病予防管理センター(CDC)によると、米国では4月27日時点で1億4,175万人(人口比42.7%)が1回目のワクチン接種を終え、9,675万人(29.1%)が2回の接種を完了している。接種ワクチンの95%超をファイザー製とモデルナ製が占める。
サキ報道官は、米国外への供給の詳細は検討中としつつ、ワクチンの大半は協力国との直接的な関係を通じて供給する考えを示した。バイデン政権は3月、カナダとメキシコに対して、アストラゼネカ製ワクチン計400万回分を貸与すると発表している。今後の提供形態について、サキ報道官は複数の選択肢を検討中と回答するにとどめた。
世界的な増産に向けメーカーと協議、インドへの医療協力も表明
ワクチンの国外供給計画発表と同日、米国通商代表部(USTR)は、キャサリン・タイ代表がアストラゼネカや米国ファイザーの経営層とそれぞれオンラインで面談を行ったことを公表した。ワクチンの増産に向けて意見交換したほか、新型コロナウイルス感染拡大への対応策として提案されているWTOのTRIPS協定における知的財産の保護義務の免除について協議を行ったとされる。同義務をめぐっては、途上国がワクチンやその他の医療物資の生産の障害になっているとして、一時的な免除を提案している(2021年3月24日付地域・分析レポート参照)。
タイ代表は面談後の声明で、インド国民への哀悼の意を表明した。インドは3月から一部州で感染が再拡大している(ジェトロ資料参照(752KB))。ジョー・バイデン大統領は4月26日、インドのナレンドラ・モディ首相と電話会談を行い、新型コロナウイルス対応への支援を表明した。前日の25日には、国家安全保障会議(NSC)がワクチン原料や治療薬、検査キット、人工呼吸器、個人防護具(PPE)などを提供する対インド協力を発表している。
(藪恭兵)
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