ジョナサンから「ゆとりの空間」への業態転換
コロナで国民の食にまつわる行動が大きく変わったのにつれ、飲食業界の勢力図も一変した。強いのはテイクアウトやデリバリーに向くファストフードやノンアルの業態。さまざまな飲食チェーンを抱える企業はその点有利で、業態を転換したり、唐揚げ店を併設するなど、柔軟に対応している。
すかいらーくホールディングスにも、コロナの社会状況に合わせた変容が見られる。2021年になってから、カフェ業態の「むさしの森珈琲」が増えてきているのだ。ジョナサンなどからの業態転換に加え、新店舗をオープンするなどして、2020年の45店舗から65店舗にまで拡大してきた。
同社における、むさしの森珈琲へのシフトの意図はどこにあるのだろうか。
高原リゾートをイメージした空間
むさしの森珈琲のスタートは2015年の3月。第1号店として神奈川県の六ツ川店にオープンしている。高原リゾートをイメージした、ゆとりや癒やしを感じさせる空間や接客が特徴となっている。
すかいらーくレストランツ営業本部長の織部始氏によると、もともとむさしの森珈琲はいわゆる「ファミレス」とは異なる利用動機への移行に着目し、生まれたブランドであったようだ。
スイーツも”豊かな時間”を演出する重要な要素だ。写真は秋限定のシャインマスカットパフェ(1188円)。シャインマスカットで埋め尽くされた見た目もインパクト大だが、口にすると果実の味をしっかりと感じることができ、さらにぜいたくな気分に。ホイップに加えられたアングレーズソース、バニラアイスに甘酸っぱいカシスソルベなど、パフェならではの味のハーモニーが口に広がる(撮影:風間仁一郎)
「ファミリーレストランが台頭し始めたのは1970年代。4、5人の家族でお財布を気にせず外食を楽しみたいという新たなニーズに応えて生まれました。近年、1人でゆっくり過ごしたいというニーズが生じ、読書や仕事など、過ごし方も多様化してきました。むさしの森珈琲は、こうした要望に応えてスタートしたブランドです」(織部氏)
そして今、“豊かな時間を過ごしたい”というニーズがより明確になっていると織部氏は指摘する。理由としては、コロナによる閉塞感から逃れたいという心理的なものもあるし、物理的に、リモートワークで家族みんなが在宅し、一人になれる場所がなくなってしまったこともあるだろう。
こうしたニーズの高まりを受け、同社ではむさしの森珈琲への転換を進めていると考えられる。
からの記事と詳細 ( むさしの森珈琲が「1人時間需要」で成功したワケ - 東洋経済オンライン )
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