1100円超の値上げで一挙に家計負担増
12月の値上がり幅は、標準家庭で11月と比べ東京電力で114円。4カ月連続の値上がりとなり、2021年1月からみると1100円超の値上げとなっています。しかし、この電気代、上がるだけではないのです。 萩生田光一経産相: この冬は(電力の)安定供給に必要な供給力はかろうじて確保できるものの、かなり厳しい見通し。 この冬の寒さが厳しいと、電力の需要と供給が「過去10年で最も厳しくなる」という見通しを経産省が示したのです。 特に電力不足に陥りやすいといわれているのが、2月。燃料の不足などで、需要を満たせるかギリギリのラインになる恐れがあるといいます。需要が供給を上回れば、中国のように大規模停電が頻発し、街灯の明かりはなくなる生活に陥る可能性があります。 深刻な電力不足が起こるという2022年2月、日本ではこのような停電を回避し乗り切ることができるのでしょうか。
電力の安定供給には最低3%の余力が必要
私たちの生活に影響を及ぼす深刻な電力不足による値上げ。一体いくら値上げされるのか、詳しく見ていきます。 こちらは2021年の電気料金グラフです。東京電力の料金ですが値上がり続け、1月と比べて1168円の値上げとなっています。 さらに、中部電力は1097円、沖縄電力で1209円の値上げ。今後も上昇傾向にあるという電気料金。というのも、火力発電に使用している「液化天然ガス(LNG)」が不足し高騰しています。電力需給に関しても、この冬に寒さが厳しくなると“過去10年間で最も厳しい”という見通しが示されています。 これは電力が最も厳しい状況になるといわれている、2022年2月の大手電力会社10社の電力供給の余力(予備率)を表したものです。 北海道7%、東北4.4%、東京3.1%、中部3.9%、北陸3.9%、関西3.9%、中国3.9%、四国3.9%、九州3.9%、沖縄33.8%。 問題なく供給するためには、3%の余力が必要とされていますが、東京は3.1%とギリギリの予想率となっています。 中部電力によると、夏に気温が1℃上昇すると予備率が3%程度低下し、冬に気温が1℃低下すると予備率は1~2%程度低下するといいます。また、国際環境経済研究所の竹内純子さんによると、冬場の気温1℃の違いは発電機1基分にも及ぶといいます。 エアコンや暖房の使用率は、こういったことろに影響を及ぼしていることがわかります。そもそも、“電力優等生”の日本で電力需給が厳しい状況になっているのはなぜなのでしょうか。
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