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Saturday, October 23, 2021

機械メーカーも部品調達遅れ、供給網見直し 東南アジアのコロナ感染拡大で - SankeiBiz

 東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大の影響が、機械メーカーにも広がっている。三菱電機は部品供給の遅れを受け、家庭用冷蔵庫の生産を一時停止。ダイキン工業やクボタにも部品調達の逼迫や生産減などの影響が出ており、サプライチェーン(供給網)の見直しを加速させている。(桑島浩任)

 三菱電機は11日から静岡市内の工場で家庭用冷蔵庫の生産を一時停止した。東南アジアの取引先工場の稼働が止まり、一部の部品の供給が滞ったためで、部品を調達し、25日から生産を再開するとしている。

 ソニーはマレーシアのロックダウン(都市封鎖)により、現地工場の稼働率が低下。6月に発売したワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」の生産が遅れるなど支障が出た。

 6月以降、ベトナムやタイなどの東南アジアの複数の国がロックダウンを実施した。英オックスフォード大の研究者らが運営する統計によると、10月17日までのワクチン接種完了率はベトナムは18・18%、タイは35・76%と低調。感染者数は減少傾向にあるものの収束の見通しは立たず、日本国内のメーカーは供給網の見直しを迫られている。

 クボタは、ベトナムのロックダウンなどにより、トラクターの電子部品の供給が停滞。主に国内向けに製造しているトラクターが数百台の減産を余儀なくされた。こうしたリスクを軽減させるため、同社は重要部品の調達先を分散させる。トラクターの泥よけとなるフェンダーは、これまで部品メーカーのフィリピン工場から調達していたが、クボタが部品メーカーに出資して国内工場での生産を可能にした。

 ダイキン工業も重要部品を2カ所以上の工場で生産する態勢を令和7年度までに構築する。従来、滋賀県内の工場だけで生産していた空気清浄機やエアコンに搭載する部品は、中国工場でも生産を始める。エアコンの主要部分である圧縮機は、堺市、中国、タイの工場間で部品を共有する仕組みも作る。担当者は「取引先の部品メーカーの調達先が1カ国に集中しているケースが少なくなかった。分散でリスクを抑えたい」と話している。

 りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「現地で感染が減少傾向になっても元の体勢に戻るのに時間がかかり、影響はしばらく続くと予測できる。企業による供給網の見直しは進むだろう」と指摘している。

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