[ロンドン 22日 ロイター] - 原油価格の先行きを巡り、アナリストは、対イラン制裁が解除されて同国からの輸出が増加しなければ、各国政府による景気回復に向けた取り組みで供給が一段と逼迫し、最高値を試す可能性があると予想している。
ウクライナ情勢の緊迫化を受けて主要産油国ロシアからの輸出に影響が出る可能性が警戒される中、原油価格は既に2014年以来の高値水準にある。
北海ブレント先物は1バレル=95ドル前後で推移しており、08年7月に付けた147ドルを超す過去最高値を依然として大きく下回っている。
だが、95ドル前後から最高値までわずか5カ月で上昇した08年と同様に、世界は現在、急速な経済成長や原油供給の逼迫を経験しており、地政学的ショックに対処できる余剰能力もない。
JPモルガンは、石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が引き続き段階的な減産縮小を進めるとみているが、一部産油国が生産目標を達成できていないため、価格上昇につながると予想。
「リスクプレミアムが高まり、早ければ今年第2・四半期に1バレル=約125ドル、来年には150ドルに上昇する」との見方を示した。
一方、イラン核合意再建を巡り前向きな発言が出る中、シティのアナリストは米国の対イラン制裁解除の可能性を指摘する。合意が成立すれば、原油供給は4月か5月までに日量約50万バレル、今年末までには同130万バレル増加する可能性がある。これに加え、カナダ、ブラジル、イラク、ベネズエラ、米国の供給量も日量280万バレル前後増えると予想され、価格は65ドルを下回る可能性があるという。
シティは「向こう1年の価格に関する市場分析の多くは余剰生産能力の不足に焦点を当てる一方、イラン産原油の輸出再開の可能性を織り込んでいない」と指摘した。
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