米国石油大手オクシデンタル(本社:テキサス州ヒューストン)と、石油ガス精製を担う韓国のSKイノベーションの子会社SKトレーディング・インターナショナル(本社:韓国ソウル)は3月22日、ネットゼロ石油(注1)の供給で合意したと発表した。
同合意に基づき、オクシデンタルの販売関連会社はSKトレーディングの関連会社に対し、5年間にわたり年間最大20万バレルのネットゼロ石油の購入機会を提供することが可能となる。
オクシデンタルは直接空気回収(DAC)設備を通じ、2024年後半から年間約100万トンの二酸化炭素(CO2)を回収し、ネットゼロ石油を生産する予定だ。
オクシデンタルの米国陸上資源・炭素管理、運営部門長のリチャード・ジャクソン氏は「ネットゼロ石油は、エネルギー転換の重要な要素で、社会がネットゼロ経済へ移行する重要な橋渡しとなる。当社がネットゼロに向かって進む中、SKトレーディングと提携し、当社のライセンス取得済みの直接回収技術やEORの経験を活用して、輸送部門向けの新たなソリューションを構築できることをうれしく思う」と述べている。
SKトレーディングのソ・ソクウォン社長兼最高経営責任者(CEO)は「当社は、ライフサイクル分析に基づくネットゼロ石油の処理に裏打ちされた世界初の炭素排出削減イニシアチブの一翼を担えることをうれしく思う」「現代の最大の変化の1つであるエネルギー転換の中で、ネットゼロ石油と低炭素製品を中心に構築された持続可能なビジネスエコシステムは、新たなかたちでグローバルネットゼロの取り組みに貢献する」と述べている。
(注1)大気中の二酸化炭素(CO2)を回収し、EOR(注2)プロセスを通じて石油増産を図ることで、生産から配送、精製、製品使用で本来発生するCO2が相殺される石油のこと。
(注2)Enhanced Oil Recovery (CO2などを利用した石油増進回収)のこと。
(沖本憲司)
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