欧州への天然ガス供給を削減するロシアの動きはエネルギー市場を崩壊させる恐れがあるとして、ドイツが金融危機につながった米リーマン・ブラザーズ破綻を例に挙げて危機感を示した。
ハーベック経済相は23日、エネルギー供給企業は高い代金を支払って供給分を確保せざるを得えず、損失が膨らんでいると指摘。この影響が各地域の公益事業者やその顧客である企業や消費者などに波及するリスクがあると述べた。ドイツは同日、国内のガス供給リスクの水準を上から2番目の「警報」に引き上げた。
ハーベック氏はベルリンで行われた緊急会見で、「この損失があまりに大きくなり、エネルギー供給企業がそれを抱え込むことができなくなれば、市場全体がどこかの時点で崩壊する恐れがある」と語り、「つまりエネルギーシステムにおけるリーマン危機だ」と続けた。
欧州最大の経済大国であるドイツは、企業や消費者のエネルギーが枯渇するという、かつてない厳しい見通しに直面している。ロシアのプーチン大統領はウクライナ侵攻への対ロ制裁措置に反発し、その明らかな報復としてここ数カ月でエネルギー供給を漸進的に削減した。
先週は主要ガスパイプライン経由でドイツに供給するガスをロシアが大幅に削減し、対立はさらにエスカレートした。ドイツは冬に向けて十分なガスを備蓄できるか危うい状況だ。
ガス供給のリスク水準引き上げで、数基の石炭火力発電所が再稼働される。またエネルギー企業にコスト上昇分を家計や企業に転嫁することを認める法案を制定する選択肢も政府には付与される。ハーベック氏は、欧州にとって現状はエネルギー消費削減を求めるシグナルでもあるとの見方を示し、域内他国と今後数日間で協議する計画だと語った。
原題: Germany Warns of Lehman-Like Contagion From Russian Gas Cuts (1)(抜粋)
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