米国は2015年イラン核合意の再建を待たずに、イラン産原油の供給拡大を容認する可能性があると、世界最大の独立系石油商社ビトル・グループが指摘した。
新たな合意がまとまればイランの核開発を限定しながらも、エネルギー輸出に対する米国の制裁を和らげることが可能になる。しかし合意再建を目指すイランと関係国による協議は3月以降、停滞しており、妥結を悲観する見方が広がっている。
一方で11月の中間選挙を控えたバイデン米大統領は、イランからのタンカーを接収するといった厳格な制裁執行の利点より、ガソリン価格を下げる必要性の方が重要だとの結論に達する可能性がある。
ビトルのアジア責任者、マイケル・ミュラー氏は5日、ガルフ・インテリジェンスのポッドキャストで「アンクル・サム(米政府)は石油の供給がもう少し増えるのを容認するかもしれない」と語る。「ガソリン価格を下げる必要性が中間選挙最大の争点となれば、原油輸出に対する制裁にもっと目をつぶっても良いだろうという結果になるかもしれない。これまでの供給に対して、米国の介入は常に散発的なものにすぎなかった」と説明した。
OPECプラス、対米協調もロシア排除せず-制裁穴埋めで供給拡大へ
原題:US May Allow More Iran Oil to Flow Even Without Deal, Says Vitol(抜粋)
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著者:Paul Wallace
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