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Thursday, July 14, 2022

企業の3割が最終保障供給に?電力難民が増え続ける日本の現実|日経エネルギーNext - Nikkei Business Publications

 「電力難民」問題が一向に解決しない。燃料価格と電力市場価格の高騰を背景に、大手電力や新電力が法人需要家の新規受付を停止したままだからだ。電力が契約できない日本は、先進国と言えるのだろうか。

 「最終保障供給の契約件数は今のペースで増え続けると単純計算で年15万件。だが、新電力の新規受付停止や供給停止の時期を考えると、さらなるハイペースで増える。国が効果的な対策を講じられない場合、20万件を超える可能性すらある」。日本省電の久保欣也社長はこう予測する。

 最終保障供給とは、電力会社の倒産などによって電力契約ができない状況を避けるために国が用意しているセーフティーネットのことで、東京電力パワーグリッドや関西電力送配電など、電力の安定供給を司る一般送配電事業者が提供している。

 2021年秋から続く電力市場の高騰を背景に、2022年初頭から契約更新時の見積もりを辞退する新電力が出始めた。既存顧客へのサービスすら維持できない新電力は、相次いで新規契約の受け付けを停止。時期を同じくして大手電力まで新規受付を停止したことで、電力の契約先を見つけられない企業、いわゆる「電力難民」が急増している。電力難民の行き着く先が最終保障供給というわけだ。

 電力・ガス取引監視等委員会が2022年5月31日に開催した制度設計専門会合の資料によると、5月20日時点の最終保障供給の契約数は約1万3000件だった。

電力難民となる企業が急増している

電力難民となる企業が急増している

最終保障供給の現状(出所:電力・ガス取引監視等委員会)

 監視委員会によると、高圧・特別高圧の全国契約口数は約85万6000件(電力取引の状況)。つまり、現状では全体の約1.5%が最終保障供給に流れたことになる。

 最終保障供給の件数推移を見ると、今年3月に増え始め、5月に急増している。5月と同じペースで増えると仮定すると、1年で約15万件となる。だが、6月以降の件数はさらに増える可能性が高い。

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