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Monday, July 11, 2022

日銀、景気判断7地域引き上げ 感染・供給制約・円安と懸念山積み - ロイター (Reuters Japan)

[東京 11日 ロイター] - 日銀は11日に公表した地域経済報告(さくらリポート)で、全9地域中、関東甲信越と東海を除く7地域の判断を引き上げた。中国のロックダウン(都市封鎖)に伴う物流の停滞で4地域で生産の判断を引き下げる一方、新型コロナウイルスの影響緩和で個人消費は全地域で判断を引き上げた。会見に臨んだ支店長からは、急速な円安が経済に及ぼす悪影響を懸念する声が聞かれた。

 7月11日、日銀は公表した地域経済報告(さくらリポート)で、全9地域中、関東甲信越と東海を除く7地域の判断を引き上げた。写真は都内で2020年9月撮影(2022年 ロイター/Issei Kato )

個人消費の全地域引き上げは今年1月以来。行動制限の解除や観光振興策の効果で「幅広い年齢層の旅行意欲が回復」(神戸支店管下の宿泊業)といった指摘が出された。

ただ、新型コロナの感染状況に左右される展開が続いている。前回4月はオミクロン株の拡大で全地域が判断引き下げとなった。足元では全国的に感染が再び急拡大、宿泊予約への影響を警戒する声も出ているという。

上海のロックダウン長期化による供給制約で、生産は関東甲信越、近畿、中国、四国の4地域で引き下げ。今年3月の福島県沖地震の影響後退で、東北は判断を引き上げた。

<円安、海外での「価格優位性高まっている」との声>

急速な円安を巡っては「為替円安によって海外市場での価格優位性が高まっており、海外からの受注は引き続き増加している」(新潟、はん用機械)との指摘も見られたが、会見に臨んだ支店長からは経済への影響を警戒する発言が見られた。

高口博英大阪支店長(理事)は「最近見られている為替市場における短期間での過度な変動は、先行きの不確実性を高め、企業の事業計画の策定等を難しくするため望ましくない」と指摘。企業収益、設備投資、物価、個人消費などさまざまな面で関西経済にも影響を及ぼすとした。

<値上げ浸透も、「コスト高吸収しきれず」>

資源高を受け企業は、価格転嫁を進めている。ウクライナ危機による輸入穀物の価格高騰に加え「為替円安による調達価格の上昇もあって、販売価格を引き上げざるを得ない」(松本、食料品)との指摘が出ていた。半面で、食料品価格が上昇する中で「顧客の買い上げ点数が減少しており、必要なものを厳選して購入している様子だ」(甲府、スーパー)との声もあった。

高口大阪支店長は、関西でも過去の原材料費の上昇局面に比べて価格転嫁の動きが広がっているが「仕入れ価格の上昇を十分にはカバーしきれず、企業の収益マージンが圧縮される状況だ」と述べた。

(和田崇彦)

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