(CNN) ロシア国営エネルギー企業ガスプロムは25日、「ノルドストリーム1」パイプラインを通じた天然ガスの供給を27日からさらに削減する必要があると明らかにした。修理のため新たにタービンを停止するという。
ノルドストリーム1はロシアの豊富な天然ガスをドイツ経由で欧州に運ぶ大動脈。ガスプロムは数日前、ノルドストリーム1を通じたガスの輸送を再開した。それまで同パイプラインは定期的な保守作業を理由に10日間稼働を停止しており、保守作業が終わってもロシアは供給を再開しないのではないかと懸念する声が多く上がっていた。
ガスプロムは25日の声明で「大規模点検までの所定の期間が過ぎたため、ガスプロムはポルトバヤ(圧縮機ステーション)にあるもう一つのシーメンス製ガスタービンを停止する」と説明した。
声明によると、ポルトバヤ圧縮機ステーションの1日当たりの輸送量はモスクワ時間27日午前7時から最大3300万平方メートルになる。
ドイツ経済省は25日のツイートで、「我々の情報によれば、ノルドストリーム1を通じたガス供給の削減に関して技術的な理由は存在しない」と主張。ドイツのガス・電力規制当局は同日の声明で、「ノルドストリーム1を通じたロシアのガス供給で現在の低水準が続けば、追加措置を講じない限り、11月までに貯蔵率を95%とする目標はほぼ達成不可能になる」と指摘した。
ドイツ政府が毎日発表している数字によると、ドイツの現在のガス貯蔵率は65.9%。
ノルドストリーム1は年間550億立方メートルの天然ガスを輸送する。これは欧州連合(EU)がパイプライン経由でロシアから輸入する総量の4割近くに当たる。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は25日、すべての技術的な手続きを終えた後、修理したガスタービンを設置すると説明。その後は「技術的に可能な範囲で」欧州へのガス供給を再開するとした。ガス供給の問題は政治とは何の関係もないとしている。
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