Pages

Thursday, July 14, 2022

JERAの武豊火力、8月に運転開始 電力安定供給へ総力 - 日本経済新聞

東京電力ホールディングス中部電力が折半出資するJERAは14日、8月5日から営業運転を始める武豊火力発電所5号機(愛知県武豊町)を報道陣に公開した。出力は107万キロワットで、年間発電量は約75億キロワット時(一般家庭240万世帯分の使用電力量に相当)の見込み。今夏の需給の逼迫が懸念される中、安定供給への貢献が期待されている。

武豊火力では、石油を燃料とする2~4号機(出力計112万キロワット)を老朽化のため廃止し、2018年4月から5号機の建設に着手していた。5号機では石炭に約17%の木質ペレットを混ぜて発電する計画で、石炭だけを燃料にする場合に比べ、二酸化炭素(CO2)排出量を年間約90万トン減らすことができる。

現在は試運転中で、安全装置の性能や緊急時の対応などを確認している。石村雅士所長は「試運転中にいろんなトラブルを経験したが、一つ一つ不具合の芽をつぶしてきた。この夏、冬の電力需給が厳しい中で、安定供給にしっかり貢献していきたい」と語った。

経済産業省によると、電力需要に対する供給力の余裕を示す「予備率」は、中部電管内では7月が3.7%、8月が5.7%、9月が6.2%となる見通しで、安定供給に最低限必要な3%を上回っている。休止中だった火力発電所を再稼働したり、定格出力を超えた運転したりしたことで、5月時点の予想よりも0.6~1.3ポイント改善した。

愛知県豊田市の取水施設「明治用水頭首工」で5月中旬に発生した大規模漏水により、JERAの碧南火力発電所(同県碧南市、出力計410万キロワット)が一部運転停止を余儀なくされていたが、6月末に全面再開を果たした。

供給力には一定の余裕が生まれているものの、発電所に設備トラブルが発生すれば電力不足に陥る可能性もあるため、依然として予断を許さない状況だ。政府も7月1日、全国規模での節電要請を7年ぶりに出した。期間は9月末までの3カ月間で、特に太陽光発電量が減る午後5~8時の節電を求めている。

中部電も新たに節電キャンペーンを打ち出している。電力不足が予想される場合に、節電を求める時間帯などをメールで通知。顧客がエアコンの設定温度を変更するなど節電に応じれば、直近の電力使用量からの減少分に応じて、1キロワット時当たり10円相当のポイントを付与する。顧客に節電を促し、ピーク時の使用量を抑制したい考えだ。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( JERAの武豊火力、8月に運転開始 電力安定供給へ総力 - 日本経済新聞 )
https://ift.tt/8THOaUE

No comments:

Post a Comment