ロシアの政府系ガス会社「ガスプロム」が、ドイツ向けの主要なパイプラインによる天然ガスの供給を今月末から一時停止すると発表したことを受けて、供給懸念からヨーロッパ市場の天然ガスの価格が一時、10%以上値上がりしました。
ガスプロムは19日、ドイツ向けの天然ガスのパイプライン「ノルドストリーム」による供給について、ロシア側の設備の点検のため、今月31日から来月2日までの3日間停止するとしています。
これを受けて、22日のヨーロッパ市場では「オランダTTF」と呼ばれる天然ガスの指標価格が先週末の終値から一時、10%以上高い、1メガワットアワー当たりおよそ290ユーロまで値上がりしました。
これは、去年の同じ時期と比べると7倍近い水準です。
ノルドストリームによる天然ガスの供給は先月、定期的な点検を理由にいったん停止され、その後再開されたものの、現在も通常時のおよそ20%にとどまっていて、市場では供給が長期間途絶えるのではないかとの懸念が強まっています。
天然ガスの高騰が続けば、ヨーロッパ各国でのインフレを一段と加速させるおそれも指摘されています。
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