ペロシ米下院議長の訪台を受け、米中対立の焦点である台湾を巡る緊張が一気に高まった。製造業を中心に多くの日本企業は、半導体などで台湾とサプライチェーン(供給網)を構築しており、動向の先行きを注視している。
住友商事の諸岡礼二専務・最高財務責任者(CFO)は3日の決算会見で、「国際分断などのリスクに対してどうするかは大きな課題。情報を収集していく」と述べ、台湾情勢を注視する姿勢だ。同社は台湾事業を長く手がけるが、巨大市場である中国事業についても「特段方針は変えない」との立場を強調する。
一方、大手電機メーカーの関係者は「台湾の半導体の生産能力をほかでカバーできず、移管もできない」と危惧する。日本で利用される半導体の3分の1は台湾からの輸入品で、日本で製造ができない先端製品も多いためだ。
また、シャープの担当者は「米国向けのオフィス用の複合機や液晶ディスプレーの生産を中国外に移しており、今後もリスク分散の対応を進める」とした。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、日本にとり第4位の輸出先で、半導体供給地でもある台湾との交易が仮に止まった場合、日本の国内総生産(GDP)を年約1・4%押し下げると試算。中国リスクで日本企業の供給網再編の動きも加速するとみる。一方、米台接近で「台湾の先端半導体などが西側諸国に組み込まれていく」といった、日本側のメリットも指摘する。
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