聞き手/藤井 省吾(日経BP 総合研究所主席研究員)
デジタル取引基盤の強みを生かし、資産や設備、金融商品などを組み合わせてエネルギーの安定供給に努める。自律分散型エネルギーシステムで省エネと脱炭素を推進し、ビジネスと生活のサステナビリティに貢献する。
2025年に向けた新たな中期経営計画で3つの主要戦略を発表しました。
小西 康弘(こにし・やすひろ)
東京ガス 常務執行役員
東京ガスエンジニアリングソリューションズ 代表取締役社長執行役員
1986年千葉大学工学部建築学科卒業後、東京ガス入社。2016年東京ガスエンジニアリングソリューションズ常務執行役員、18年東京ガス都市エネルギー事業部長、19年東京ガス執行役員、21年より現職(写真:髙田 浩行)
小西 康弘 氏(以下、敬称略) 23年2月に新中期経営計画「Compass Transformation 23-25」を発表しました。新たに3つの主要戦略を掲げています。
第1の戦略は「エネルギー安定供給と脱炭素化の両立」です。ロシア・ウクライナ問題に端を発したエネルギー価格の変動が、あらゆるビジネスを直撃しています。エネルギーの安定供給は、最大かつ喫緊の課題です。グローバルに構築してきたデジタル取引基盤の効果を最大限に生かし、自社の資産や設備、金融商品などを組み合わせながら、北米や欧州を含む規模でトレーディングの高度化、拡大に努め、エネルギーの確保と安定供給に取り組みます。
脱炭素については、グリーン水素とCO₂で合成メタン(e-メタン)を作る「メタネーション」の実用化を急ぎます。東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、三菱商事の4社で北米にプラントを建設し、30年には現在の都市ガス3社の需要合計の1%、約1億8000万m3を生産・輸入する計画です。
第2の戦略が「ソリューションの本格展開」です。50年のカーボンニュートラルを見据え、エネルギー戦略に関する企業からの相談が殺到しています。ガスと電気の両方を提供する総合エネルギー企業として、お客様の事業や設備の実情に合わせ、具体的かつ実効性の高いソリューションの提供体制を整えます。
第3の戦略は「変化に強いしなやかな企業体質の実現」です。デジタルトランスフォーメーション(DX)によるビジネスモデルの変革や生産性の向上に取り組み、人的資本経営と財務基盤の強化によってサステナブルな経営を目指します。
法人向け事業統合で体制強化
エネルギーソリューションに寄せる産業界の期待は特に大きいと感じます。
小西 東京ガスは22年4月にホールディングス型組織に改編しました。グループ各社に分散していた法人向けの事業を、東京ガスエンジニアリングソリューションズに統合し、あらゆるサービスをワンストップで提供できる体制を築いています。
例えば、今日の脱炭素対策では、スコープ1、2、3の段階ごとに目標や達成方針の開示が求められています。
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