中米コスタリカのトバル貿易相は8月に加盟を申請した環太平洋経済連携協定(TPP)について「2026年5月までの合意と批准を目指す」と表明した。医療機器などのアジア向けの輸出拡大に意欲を示し「サプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化に貢献できる」と強調した。
都内で12日までに日本経済新聞の取材に応じた。コスタリカは貿易額の約4割を米国が占める。米企業は生産地を消費地に近づける「ニアショアリング」を進め、インテルはコスタリカの半導体拠点への投資を増やしている。
トバル氏は友好国で供給網を再構築する「フレンドショアリング」推進にむけた米政府の動きを「注視している」と述べた。米政府が半導体分野に投じる補助金について、コスタリカに関連拠点を誘致しやすくするため、米国と協議しているとも明らかにした。
背景にある米中対立に巻き込まれることへの警戒もにじませた。コスタリカは07年に台湾と断交して中国と国交を結んだ。トバル氏とともに取材に応じたアンドレ外相は中国の影響力拡大への懸念は「ない」と言い切り、対中政策の見直しは不要だとの立場を強調した。
中国が国連安全保障理事会の常任理事国であることを理由に挙げ、中南米が中国と経済関係を深めようとするのは「自然な動きだ」とも主張した。
TPPには英国や中国、台湾が21年に加盟を申請した。中南米でもエクアドルが続き、ウルグアイも近く申請する方針を示している。トバル氏は「関税撤廃などの条件を満たす用意がある」と話し、現政権下での加盟実現を目標に日本などに働きかけていると説明した。
トバル氏とアンドレ氏は7日に西村康稔経済産業相と会談し、アジア太平洋地域の自由貿易の推進に取り組むことで一致した。林芳正外相とも8日に会談した。
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