新型コロナウイルス禍の 自動車購入ブームの際、世界の自動車業界はかつてないほど大きな価格決定力を持っていた。
しかし、UBSのアナリストは昨年10月のリポートで、自動車市場が2023年に急速に勢いを失う見通しだと予測。この数週間後にモルガン・スタンレーも同様の見方を示し、「ここ数十年で最も急激な自動車供給不足から供給過剰への転換を目の当たりにしているかもしれない」と分析した。それから5日後、バーンスタインは22年10-12月(第4四半期)に「世界的な価格の勢いに亀裂が生じつつある」と警告した。
自動車業界でこうした亀裂は中古車市場で最も顕著だ。米自動車販売会社 カーマックスは 苦境が続いているほか、オンラインの中古車販売プラットフォーム運営会社 カーバナも破綻の回避に 必死だ。米中古車価格は昨年12月、北米最大の自動車競売会社であるマンハイムが調査を実施してきた27年間で 最大の下落を記録した。
米中古車価格また下落、景気不振や在庫積み上がりが販売業者圧迫
自動車生産は20年初頭に新型コロナ感染拡大や部品不足のため急停止した後、回復ペースは遅く、供給が制限されていた。しかし、 需要は依然強かった。自動車生産が低水準にとどまったため、本来なら新車を購入してたはずの多くの消費者が中古車を買わざるを得なくなった。この需要と供給のずれを受け、中古車と新車の価格はいずれも過去最高値に上昇した。
自動車メーカーは依然として十分な半導体を確保できていない状況にあるが、供給は回復しつつある。コックス・オートモーティブによると、新車の在庫は22年末にかけて81%増加した。
欧州の自動車メーカー、ステランティスのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は先月記者団に対し「現在はリバランスが行われている。半導体の供給が改善する一方で、金利が上昇しクレジットへのアクセスが困難になっているため自動車需要が鈍化しつつある」とし、「このリバランスは中古車価格がかつての水準に戻りつつあることを意味する」と述べた。
原題: Growing New-Car Supplies Put the Brakes on Used-Vehicle Prices(抜粋)
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