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Wednesday, January 25, 2023

都心で再開発ラッシュ オフィス大量供給 テレワーク定着で空室率上昇か - ITmedia NEWS

産経新聞

 森ビルの辻慎吾社長は1月24日に記者会見を開き、東京都港区で進める複合都市「虎ノ門ヒルズ」の再開発事業で、大型複合施設「虎ノ門ヒルズステーションタワー」を今秋に開業すると発表した。都心では不動産大手による大型再開発が相次いでおり、オフィス需給のバランスが崩れる「2023年問題」が懸念されている。新型コロナウイルス禍の影響でテレワークが定着したこともオフィス需要を押し下げる要因となっており、23〜26年にかけて空室率の上昇傾向が強まると予測されている。

 「今年の東京のオフィス供給は過去10年の平均と比べて約3割多い」

 不動産サービス大手CBREの岩間有史ディレクターはこう話す。

 同社の試算によると、23年中に供給されるオフィス床面積は計24万坪(約79万平方メートル)に上る。東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅直結となる、森ビルの虎ノ門ヒルズステーションタワーの開業の他、大規模再開発が進む渋谷駅周辺では、東急不動産が駅南西部に複合施設を竣工させる。

 一方、オフィス仲介大手三鬼商事の調査によると、東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス平均空室率は、22年12月時点で19カ月連続で6%台だ。都心部で貸し手と借り手の優位性が変わる境界線とされる目安の5%を上回る水準が続いている。

 辻社長は会見で、21〜22年にオフィス供給がほとんどなかった他、虎ノ門ヒルズステーションタワーは現時点で3分の2のオフィステナントが決まっていることを明かし、「比較的順調だ」と強気だ。

 ただ、岩間氏は23年竣工(しゅんこう)するビルのテナント内定率は鈍く、「コロナ禍前と比べ到底及ばない」との見方を示す。

 三井不動産が手掛けた複合施設「東京ミッドタウン八重洲」(中央区)でも22年の竣工時、「一等地なのに誘致が不調」(不動産関係者)だった。今後は多くのビルが空室を残したまま竣工するとみられる。

 オフィス需給の懸念は供給過多だけではない。出社とテレワークを組み合わせる「ハイブリッド勤務」を続ける企業は多く、需要はコロナ禍前の水準まで戻っていない。

 また、コロナ禍を経てオフィス面積を縮小する代わりに、立地や空間設計を重視する傾向が強まっているという。より良い立地、高機能なオフィスへの移転が進むことによる「二次空室」が増える可能性も指摘されている。

 ニッセイ基礎研究所の吉田資主任研究員は、ニーズを捉えていない既存オフィスの空室が目立つようになるなどし、「オフィスの優劣が鮮明になり、二極化が進むだろう」と話した。(浅上あゆみ)

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