日銀静岡支店が3日発表した6月の静岡県内企業短期経済観測調査(短観、回答264社、回答率99・6%)は、景況感を示す業況判断指数(DI)が全産業でプラス4と、2021年12月調査以来6期ぶりのプラスに転じた。社会経済活動の正常化や半導体の供給制約緩和で、幅広い業種で業況が改善した。ただ、円安進行、原材料価格高騰に伴う価格転嫁の遅れ、海外経済の下振れなど、企業の減益リスクも依然残る。
全産業のDIは前回3月調査から5ポイント改善した。非製造業は4ポイント上昇のプラス12で、10以上となったのは19年3月以来。外出機会の増加による個人消費の回復で卸売、小売、対個人サービスなどが広く伸長した。
製造業は8ポイント上昇のマイナス4。特に輸送機械は供給制約緩和でマイナス6からプラス6に改善した。
3カ月先を予測した全産業DIは2ポイント上昇のプラス6とコロナ後の経済回復基調を織り込む。
23年度の全産業での売上高計画は前年度比6・1%増としたが、経常利益は17・6%減を見込む。仕入れ価格について「上昇」から「下落」を引いた回答割合を示す仕入れ価格DIは58と前回の67から9ポイント下降したものの高水準を維持した。一方で販売価格DIは3ポイント上昇の33にとどまる。
6月に着任した水野裕央支店長は「全産業の先行きの方向感としては改善に向かっている」と前置きしつつ、「価格転嫁は進んでいるが完全ではない状況。供給制約の緩和については慎重な見方を示す企業もある」と課題を挙げた。
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