Muyu Xu Stephanie Kelly Alex Lawler
[シンガポール/ニューヨーク/ロンドン 14日 ロイター] - 石油投資家は、供給過剰や経済成長の鈍化、価格変動を誘発する可能性のある中東情勢の緊迫化など複数の懸念を抱えて2024年を迎えることになりそうだ。
北海ブレント原油の23年の平均価格は1バレル=80ドル。22年はロシアのウクライナ侵攻を機にロシア産の供給が中断し、価格は約100ドル超に急騰するなど変動が激しかった。
今年の需要は日量1億バレルと過去最高水準に上ったが、ドル高と石油輸出国機構(OPEC)非加盟産国の生産が堅調で、相場の上げ幅は抑えられている。
ロイターがエコノミストおよびアナリスト計30人を対象に調査したところ、24年の北海ブレント原油の平均価格は84.43ドルと予想された。
エネルギー調査会社のライスタッド・エナジー、ケプラー、ウッド・マッケンジー、米金融大手JPモルガンは、24年の石油供給はOPEC非加盟国の産油量にけん引され、日量120万─190万バレル増加するとの見方を示した。
マッコーリーのエネルギー・アナリストは「来年は四半期ごとに供給過剰になると見込んでいる」と述べた。
投資家は、24年第1四半期(1─3月)の供給データに注目しており、OPECと非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が計画している日量220万バレルの自主的減産を実行するかどうかを見極める構えだ。
ウッド・マッケンジーのアナリストは「OPECプラスの自主的減産の順守状況を評価できるため、1─3月期がカギとなるだろう」と述べた。
アナリストらは、制裁下でもロシア産およびイラン産の石油は世界市場に流入し続け、原油価格を押し下げるとの見方を示している。
イランの現在の産油量は日量340万バレルだが、24年3月までに360万バレルに拡大することを目標としている。
ブラジル、ガイアナ、米国を中心としたOPEC非加盟国が24年の生産をけん引し、軽質スイート原油の供給を押し上げるとみられている。一方、OPECプラスの減産で、中質サワー原油の供給は引き続き引き締まる見込み。
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