政府は、重要鉱物の供給網強化に向け、サウジアラビアと連携する。資金力のあるサウジアラビアと協力し、電気自動車(EV)や蓄電池などに欠かせない重要鉱物が豊富なアフリカなどで、鉱山開発や権益獲得を進める。重要鉱物の安定確保につなげ、経済安全保障の強化を図る。
斎藤経済産業相の23日からのサウジアラビア訪問に合わせ、経済産業省とサウジアラビア産業・鉱物資源省、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と現地の鉱山公社などが出資する「マナラ・ミネラルズ・インベストメント・カンパニー」が、それぞれ覚書を結ぶ方向で最終調整している。
両政府は、アフリカや中南米を念頭に、第三国での鉱山への協調投資やプロジェクト創出を検討する。JOGMECとマナラ社は、2年以内に複数の協調投資の実現を目指す方向だ。
対象は、自動車や電子機器に幅広く使われる銅や、蓄電池に不可欠なニッケルやリチウムなどの重要鉱物を想定している。鉱業分野の情報交換や人材育成、専門家の交流なども進める。
日本は、JOGMECが鉱山探査の知見を有し、アフリカなどの資源国で、日本企業の投資を技術面や資金面で支援してきた実績がある。供給網強化では資源国との連携も強化しており、今夏にはアフリカ3か国と安定供給に向けた協力の拡充で一致している。
産油国のサウジアラビアでは、脱炭素の動きが進むなか、石油などに次ぐ新たな産業の創出が求められている。技術や実績を持つ日本と協力して、国外での鉱山権益の取得に取り組む。
重要鉱物を巡っては、中国企業がアフリカへ積極投資して鉱山権益の獲得を進め、中国の世界シェア(占有率)を高めている。
日本は米欧のほか、アフリカなどの資源国とも関係を強化し、供給網の強化を図っている。サウジアラビアとの協力をきっかけに、産油国との結びつきも強めたい考えだ。
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