GE薬協 新会長に日新製薬・川俣氏 供給不安解消へ「GE薬協として何ができるか議論したい」
公開日時 2024/05/29 04:49供給不安をめぐり、川俣新会長は、個々の企業が増産に努める中で、「人員の確保が最大の課題」との認識を表明。「せっかく設備投資をしても、これまで三交代でやっている人を新しい工場に配置することで、元々の工場の稼働率が落ちる。従業員の確保が最も喫緊の課題になっている」と述べた。
◎「クオリティ・カルチャー、ナレッジマネジメントの定着も協会の取り組む課題」
厚労省の「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」が報告書をまとめたことを踏まえ、「社会に評価される産業を目指す方策を検討したい」と強調。各企業が品目の集約化や効率化による生産能力の向上に動くとしたうえで、「効率的な従業員教育、クオリティ・カルチャー、ナレッジマネジメントをどう定着させていくのかも、協会として取り組んでいく課題だと考えている」と述べた。
なお、副会長には橋爪浩氏(キョーリンリメディオ代表取締役社長)、⾼⽥浩樹氏(⾼⽥製薬代表取締役社⻑)、吉田逸郎氏(東和薬品代表取締役社長)、北村博樹氏(陽進堂代表取締役社⻑)が就く。
◎武見厚労相「再編は待ったなし」 経営者に今後の安定供給に向けたビジネスモデル問う
来賓として挨拶した武見敬三厚労相は、「私は後発品業界の再編は待ったなしだと考えている」と表明。「低分子の後発医薬品市場も大きな拡大が見込めない中で、今のような少量多品目構造のままで、これまでのようなビジネスモデルはもはや成立しない。後発品産業の経営者の皆様、今までの姿で、将来にわたって品質の確保された医薬品を安定的に供給し続けることがどのようにすればできるのか、真剣に考えていただきたい」と呼びかけた。
厚労省の産業構造あり方検討会が取りまとめた報告書に触れ、「我々は5年程度の集中改革期間の中で後発品産業の構造改革を強力に進める」と強調。「業界の中核を担う自覚と気概
のある企業におかれましては、業界団体を通じて、ぜひこうした動きを牽引していただきたい。新会長の指導力に特に期待するところ大だ」と述べた。「後発品産業がある程度姿を取り戻し、この業界がそして後発医薬品そのものが再び国民の信頼を得ることができるように個々の企業そして業界団体の皆様、さらなる奮起を促したい」と呼びかけた。
◎日薬連・岡田会長「厳しい改革に向き合い、国民の大きな付託に応える転換点」
日本製薬団体連合会(日薬連)の岡田安史会長(エーザイ代表執行役COO)は、「どのような環境下にあっても高品質な医薬品を安定的に供給することは我々製薬企業にとってのまさに果たすべき根幹的な役割だと確信している。我々の存在意義を示すためには、我々はまさに胸突き八丁、正念場に直面している」との見方を示した。そのうえで、「これまでの延長線上にはない厳しい改革にも向き合って、国民の大きな付託に応えていかなければいけない。まさに転換点、岐路に立たされているという認識を持たなければいけない」との認識を表明。GE薬協の川俣新会長と「一蓮托生、共に全力を尽くしてまいりたい」と述べた。
◎GE薬協・吉田副会長 あるべき医への健全な発展と信頼回復へ「一丸で取り組む」
GE薬協の吉田逸郎副会長(東和薬品代表取締役社長)は、「まさにジェネリック医薬品産業は将来のあるべき姿に向かう過渡期にあると認識している」と表明。GE薬協も新たな体制となる中で、「川俣新会長を中心に、ジェネリック医薬品産業のあるべき姿に向かって健全な発展とジェネリック医薬品に対する信頼回復に向け、積極的な活動を展開していくことを委員会と共に、我々役員も一丸となって取り組む」と述べた。
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