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Wednesday, June 12, 2024

石油は2030年までに「大幅な」供給過剰へ、需要頭打ち-IEA - ブルームバーグ

世界の石油市場はこの10年に「大幅な」余剰に直面するだろうと、国際エネルギー機関(IEA)が予測した。供給が伸びる一方で化石燃料離れが進み、需要は頭打ちするとみる。

  IEAは12日発表した年次の中期見通しで、世界の石油需要は2029年に日量1億560万バレルで「横ばい」になると予想。この水準は昨年を約4%上回るに過ぎない。電気自動車(EV)の販売増加や燃料効率の改善などを理由に挙げた。

  一方、石油生産能力は拡大が続く。米国を筆頭に生産能力が伸び、30年までに需要を日量800万バレル上回るという「驚異的な」状況になる。このギャップは、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)が最も厳しかったころ以来の大きさだ。

  「コロナ明けの回復が勢いを失うとともにクリーンなエネルギーへの移行が進み、中国の経済構造も変わってきている。それが理由で、世界の石油需要の伸びは減速しつつある」とIEAのビロル事務局長は指摘。「30年末までに石油供給が増加し、価格を圧迫する可能性があるだろう」と語った。

Oil Spare Output Capacity Swells

IEA sees major surplus as demand peaks

Source: IEA's Oil 2024 report

  国際原油価格は年初から1バレル=80ドル近辺での取引が続いている。堅調な需要や中東の戦争、主要産油国から成る「石油輸出国機構(OPEC)プラス」の供給抑制などの価格押し上げ要因を、米大陸で相次ぐ新規生産や中国の経済成長を巡る懸念が打ち消している。

  IEAによると、世界の石油消費は数年間は伸びが続きそうで、インドと中国の経済成長、航空や石油化学業界の需要拡大で30年までに日量約400万バレルの増加が見込まれる。

  だが、先進国の需要は「数十年にわたる」後退を続け、昨年の日量4600万バレルから30年には4300万バレルと、1991年以来の低水準になる見通し。中国の需要ですら同年までに約1800万バレルで頭打ちとなるだろうと、IEAは今回の報告で予想した。 

原題: Major Oil Surplus Seen This Decade as Demand Hits Peak, IEA Says(抜粋)

(第2段落以降に情報を追加して更新します)

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