[ロンドン 12日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は12日公表した年次報告で、世界の石油需要が2029年までにピークに達し、30年から減少に転じると予想した。20年代の間は供給能力が需要を上回る見通し。
供給能力は30年までに日量1億1400万バレル(bpd)近くに達し、需要を800万バレル上回ると予想。
ビロル事務局長は「最新のデータに基づく本報告の予測では、この10年間で大幅な供給過剰になる。石油会社は自社の事業戦略や計画が、このような変化に対応できるか検証すべきだ」と述べた。
電気自動車(EV)の普及、発電の脱石油化などに伴い、石油需要の伸びは29年までに日量1億0560万バレルで頭打ちとなり、30年には小幅に減少する見込み。
供給能力増加の4分の3は米国などの非石油輸出国機構(OPEC)諸国が占める。「これほどの余剰生産能力は、石油市場、OPEC加盟国およびそれ以外の生産国経済、米シェール産業に重大な影響を及ぼす可能性がある」と指摘した。
需要の伸びは主にアジア新興国が支える。特にインドの道路輸送、中国のジェット燃料と石油化学製品がけん引役になる。
24年の需要の伸びは、先進国の消費低迷を理由に10万バレル引き下げ96万バレルとした。25年は100万バレルの増加を見込んだ。これはOPECの予想を大幅に下回る。OPECは11日発表の月報で、24年の需要が225万バレル増、25年は185万バレル増で据え置いた。 もっと見る
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