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Monday, March 23, 2020

FRB、資金供給4兆ドルに 社債や消費者支援も検討へ - 日本経済新聞

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は企業の資金繰りを支える緊急措置を相次いで打ち出している=ロイター

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は企業の資金繰りを支える緊急措置を相次いで打ち出している=ロイター

【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)はゼロ金利と量的緩和の復帰を決めて以降、1週間で危機対応を連発した。ただ、ドル金利は高止まりしたままで、財務省などと追加策の検討に入る。消費者や中小企業の資金繰りを支援するほか、社債を資産購入の枠組みに加える案もある。ムニューシン財務長官は「FRBの緊急資金供給は4兆ドル(約440兆円)規模になる」との見方を示した。

FRBは15日に政策金利を一気に1.0%引き下げ、ゼロ金利政策を復活した。米国債などを大量に買い入れる量的緩和も再開。新型コロナウイルスによる市場の混乱を止めるため、2008年の金融危機時の非常時対応を再び発動した。

当初、念頭に置いたのは、民間銀行の資金支援だ。FRBは15日、銀行に直接融資する際の公定歩合を1.5%も引き下げ、民間銀行は政策金利並みの0.25%でFRBから資金を調達できるようになった。市場では銀行間の取引金利が政策金利を上回るケースもあるが、公定歩合の大幅な引き下げは民間銀行の資金調達にとって「安全網」となる。

ただ、新型コロナによって航空会社やホテルなどの営業縮小が進み、企業はさらに手元資金を積み上げ始めた。航空機大手のボーイングは民間銀行とあらかじめ決めた融資枠(138億ドル)を全額引き出したとされ、企業が短期資金の調達に使うコマーシャルペーパー(CP)市場は金利が急上昇した。

このためFRBは民間企業の資金繰り支援にも乗り出し、17日にはCPを直接購入する措置を発動すると発表した。規模は「最大1兆ドル」(ムニューシン氏)と巨額だ。

さらにFRBは追加策の検討にも着手。雇用情勢の悪化で実体経済は一段と落ち込みかねないからだ。損失リスクが高いため現在は購入対象から外している社債の買い入れに踏み切る可能性がある。関連法の改正が必要で、米政権と連邦議会が検討中の2兆ドル規模の経済対策に盛り込む案が浮上している。

消費者や中小企業の資金繰り支援も視野に入れる。消費者ローンや中小企業の設備などを担保とした資産担保証券(ABS)を買い入れる仕組みが検討対象で、09年にも採用した。米政権と議会は大型経済対策を通じて中小企業に雇用維持を求めており、FRBが資金繰り策で側面支援する可能性がある。

ムニューシン氏は22日、社債やABSの購入開始を念頭に「FRBの緊急資金供給は4兆ドル規模に達するだろう」と表明した。国内総生産(GDP)の2割に匹敵するマネーを市場に供給し、資金の目詰まりを防ぐ。

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March 23, 2020 at 02:00AM
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