留守家庭の小学生が放課後や学校の長期休業期間を過ごす放課後児童クラブ(学童保育)。新型コロナウイルス感染予防のための臨時休校の受け皿として必要性が再認識されたが、人員も設備も慢性的に不十分な状況だ。県内の現状や課題を探った。
共働きの増加などに伴い学童保育のニーズは年々高まり、全国の待機児童は1万8千人以上ともいわれる。県内では現在、約660クラブに2万5千人超が登録している。
厚生労働省は面積基準を「児童1人当たり1・65平方メートル以上」などと定めているが、判断するのは実施主体である自治体。職員数については「児童約40人に対し、放課後指導支援員の有資格者を含む2人以上の配置」が義務付けられていたが、「人材が確保できない」との自治体の要望で昨年緩和された。保育所と比べると、運営基準は緩やかだ。
学童保育は約70年前、働く親たちによって自然発生的に始まり、法制化されたのは20年ほど前。日本学童保育学会の増山均(ましやまひとし)代表理事(宇都宮市在住)は「国の反応は『特定の子どもにお金を出す必要があるのか』と鈍く、政策的にも教育か福祉かで揺れた」と公的支援が遅れた背景を説明する。
不安定な雇用環境や劣悪な労働条件により、現場は人手不足に苦しむ。全国学童保育連絡協議会が2014年に行った調査によると、週5日以上働く職員で年収150万円未満は46・2%。非正規雇用が78・5%と大半を占めた。
県央の学童保育で働く職員(42)は「子どもの命を預かる責任の重さと全く見合わず、1年契約で、勤続年数が増えても賃金は上がらない。転職する人が多いのも仕方ない」と漏らす。
処遇改善を目指し、国はキャリアに応じて昇給する補助事業を17年に設けたが、市町の費用負担もあるため、動きは鈍い。県学童保育連絡協議会(県連協)の調べによると、県内での19年度の実施は25市町中9市町にとどまり、自治体間でも格差が生じている。
運営主体が地域ごとに異なることも、学童保育の特徴の一つ。地域住民らがボランティアで参画する「運営委員会」、公営、NPO法人など、さまざまな形態があり、運営方針もそれぞれ異なる。設置場所も小学校の空き教室やプレハブ小屋、児童館などと多様だ。
子どもを預ける保護者にとっても苦悩は大きい。利用したくても、開設時間が短いため仕事を辞めざるを得なかったり、定員超過で断られたりすることもある。学童保育のサービス内容を理由に、引っ越しを迫られた保護者もいるという。
新型コロナウイルス対策でも「教室より学童保育の方が感染リスクが高い」と不安が広がった。今月中旬には、同学会が「安全・安心を守る居場所とするため」には「公的・社会的支援が必要」とする緊急声明を公表した。
県連協の国府田恵美子(こくふだえみこ)事務局次長は「現場の自助努力による薄氷のような運営基盤が浮き彫りになった」と指摘した上で「自治体には子どもたちの最善の利益や職員のことをしっかりと考えた支援制度を整えてほしい」と訴えている。
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March 24, 2020 at 01:03PM
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