マイクロソフトの企業向け協業アプリ「チームズ」の利用者は新型コロナ前と比べて3.8倍の7500万人に増加した。
【シリコンバレー=佐藤浩実】米マイクロソフトが29日発表した決算は売上高、純利益ともに1~3月期として過去最高だった。新型コロナウイルスを防ぐための外出規制を受け、企業の間でクラウドへの移行が加速しているためだ。ただ利用が急増するなかでデータセンターの能力が逼迫する場面もあった。インフラとしてのクラウドの重みが増し、供給責任も強まっている。
7500万人――。マイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は29日、チャットやファイル共有ができる職場向け協業アプリ「Teams(チームズ)」の利用者が3月18日以降に7割増えたと明かした。コロナの影響がなかった5カ月前と比べると4倍近い。会議に使われた時間が41億分を超える日もあるという。
利用者を急増させたのは世界で広がる外出規制だ。新型コロナを防ぐため自宅で働くように求められた人たちが、同僚や上司と連絡を取り続ける手段になった。「すべてがリモートになった世界で、顧客が事業を続けられるよう取り組んできた」とナデラ氏は言う。
結果は1~3月期の決算に如実に表れた。インターネットを介して演算能力を提供する「Azure(アジュール)」などを含め、マイクロソフトのクラウド関連の売上高は前年同期を39%上回る133億ドルに膨らんだ。パソコン供給網の混乱に伴う「Windows(ウィンドウズ)」の停滞を補い、全社の売上高を1~3月期として過去最高の350億2100万ドル(同15%増)、純利益を107億5200万ドル(同22%増)に押し上げた。
ただナデラ氏が「2年分のデジタル変革が2カ月で起きた」と説明するほど急だった利用者の増加は、クラウド企業を標榜してきた同社の新たな課題も明らかにした。
「サービスを提供できたことを誇りに思うが、何も問題が起きなかったわけではない」。4月23日、マイクロソフトは自社のブログにこう投稿した。新型コロナの影響が広がるなかで、地域によってはクラウドへの需要がデータセンターの能力を上回りかねない局面があったためだ。
同社は3月、すべての顧客が求めるクラウドの需要に対応しきれない場合には「消防や警察、救急医療の従事者といった『ファーストレスポンダー』を最も優先する」と明言した。実際にチームズで動画の解像度を下げたり、ユーザーの状況表示を更新する頻度を抑えたりした。ゲーム部門ではソフト会社に対し、クラウド利用が少ない時間帯に更新を行うよう要請した。
マイクロソフトは1~3月期の設備投資を前年同期より15%多い39億ドルに引き上げ、データセンターに置くサーバーの増強に奔走した。ただ、日本でも5月6日に期限を迎える緊急事態宣言が延長される見通し。新型コロナが収束して職場で顔を合わせて仕事ができるようになるまでには時間を要する。クラウドの需給が再び逼迫する可能性はゼロではない。
28日に日本などでチームズの障害が起きた際には、在宅勤務中の人たちの「仕事にならない」という嘆きがSNS(交流サイト)にあふれた。クラウドの安定供給に対する世間の目はかつてなく厳しくなっている。エイミー・フッド最高財務責任者(CFO)は「需要を先取りして投資を続けていく」と語った。短期的な利益低下につながるとしても、インフラ化したテック大手にとって「供給責任」は避けられない命題だ。
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April 29, 2020 at 07:44PM
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新型コロナ:クラウド足りる?マイクロソフト、在宅で供給責任も - 日本経済新聞
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