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Tuesday, June 16, 2020

中国物流市場、SC混乱続く。需要停滞、供給も急減。日通、チャーター100便 - 日本海事新聞

 印刷【速報】2020年06月17日デイリー版1面

 世界最大の物流市場中国では、旅客便の運休、定期コンテナ船の大幅な欠便実施などにより、サプライチェーンの混乱が続いている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で需要自体が減退しているが、それを上回る勢いで供給が減少したため、輸送に支障が出ている。日本通運は顧客のサプライチェーン維持のため、中国を中心とした東アジアブロック域内発で100便弱のチャーター輸送を実施。旅客機の貨物便転用などで供給は徐々に回復しているが、日通では6月以降も積極的にチャーターを行っていく方針だ。

 武漢に端を発するコロナ感染や春節(旧正月)延長などで、2月中旬までに生産活動がほぼ停止した中国だが、現在は生産能力・輸送能力自体は回復している。一方、海外からの部材調達に支障が出ていることによる生産の遅れ、主要出荷先の欧米の生産・物流停滞などにより、サプライチェーン全体の本格回復には至っていない。

 航空・海上輸送での供給制限も続く。特に航空輸送は中国発着の国際旅客便が大幅減便となったことで、ベリースペース(旅客機の貨物室)が市場から一気に消失。4月から5月にかけて、スポットの航空運賃はルートにもよるが通常時の10倍超に跳ね上がった。

 3月までは、遅れを取り戻すための自動車関連出荷が中心だったが、徐々に医療関連物資が増加。4月には中国発輸出航空貨物の6-7割がマスクを中心としたPPE(個人防護具)を占めるとまでいわれる状況になった。

 その後、旅客機の貨物便転用などが拡大し、5月に入り供給は徐々に増加。スポット運賃もピーク時の半分程度の水準まで落ち着いてきた。しかし、逼迫(ひっぱく)感の解消には至らず、輸送を手配するフォワーダー各社は欧州-中国間での鉄道輸送シフトや、独自のフォワーダーチャーターなどで、代替ルートの開拓を進めている。

 日通では中国を中心とした東アジアブロック域内発で3月28便、4月22便、5月45便と3カ月で100便に迫るチャーター輸送(他社と共用のスプリットチャーターなど含む)を実施した。仕向け地は日本、東南アジアが中心。

 日通の中国法人、日通国際物流(中国)では、「マスク、医療用品などの需要は5月中旬までにピークを迎えたが、テレワーク(在宅勤務)増加の影響か、足元ではパソコン(PC)やWi-Fiルーターなど通信関連機器が欧米、日本向けに相当量動いている」という。

 日通国際物流(中国)は6月も、需要回復が遅れる香港発を中心に33便のチャーター輸送を予定している。7割弱が東南アジア向けとなる見通しで、残りは日本向けなど。また、ルートによって需要の回復の度合いが異なるため、有利なレート・スペースが取れる空港に貨物を集約する再混載スキームを拡大している。

■長距離輸送の海上シフトも

 中国発着の海上輸送では、5月に入っても各アライアンスが減便を継続。一部ではロールオーバー(積み残し)も発生。臨時便を運航する船社も出るなど需給のミスマッチが生じているようだ。

 アジア域内など近距離輸送で、航空から海上へのシフトはあったが、今回の混乱では中国発北米・欧州向けなどの長距離輸送でも海上シフトが発生しているという。欧州向けでは中国-欧州間大陸横断鉄道や経由便などの選択肢もあるが、「太平洋トレードでは逃げ場がない」(日通国際物流〈中国〉)。

 落ち着いたとはいえ、平常時を大きく上回る運賃水準に耐えられる品目ばかりではなく、「北米の生産が本格回復するまで、洋上在庫として海上輸送へシフトする顧客もいる」(同)。輸送需要は「高コスト・高速輸送」と、「時間はかかるが安定した輸送」に二極化しているようだ。

 日通国際物流(中国)では、顧客のサプライチェーンの変化に対応できるよう、航空・海上・鉄道と輸送モードを問わず、さまざまな輸送商品中で、一部は販売を開始している。

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