ベトナムの水産加工品工場に設置した品質検査設備（神栄提供）
商社の神栄（神戸市中央区）は、冷凍食品の供給体制を強化する。海外での仕入れから国内の物流拠点での入出庫まで一括管理する新システムを今秋に稼働。在庫の過剰や欠品を防ぎ、業務を効率化する。すでに進めているベトナムでの調達強化や国内での物流拠点増設と合わせ、中食業者向けの需要増などに対応する。（横田良平）
２０２０年３月期の食品事業の売上高は２８１億円（連結）。同社全体の約７割を占める主力となっており、多くは冷凍食品の輸入販売という。新型コロナウイルス感染拡大で外食や学校給食向けが打撃を受ける一方、「巣ごもり消費」で中食向けが好調。スーパーやドラッグストア向けの販売にも力を入れる。
新システムは、海外での仕入れの契約や船積み▽日本への入港▽物流倉庫への入庫・出庫－の情報をすべてデジタル化する。従来、在庫と仕入れの情報を別々に管理し、１週間前などの取引を基に仕入れていた。新システムでは、冷凍野菜や水産加工品など千点以上の前日までのデータを把握できる。導入経費は１千万～２千万円を見込み、１０月の稼働を目指している。
同社は１７年、ベトナムに現地事務所を開設し、協力先の水産加工場に品質検査設備を提供している。中国が約７割を占める調達先の分散を目指し、冷凍野菜や冷凍調理品の調達も増やす。
国内の物流拠点は東京、大阪、名古屋、福岡、沖縄に加え、１９年に札幌と仙台にも開設した。新システムの稼働によって、受注の翌日に配送できるエリアを拡充して顧客企業の利便性を高める。中西徹経営戦略部長は「食は生活の大事な要素。経営資源を投入し、コロナ禍でも収益力を高める」としている。
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August 21, 2020 at 05:20PM
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