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Tuesday, September 22, 2020

インフラ不要の供給で「水素飛行機」に突破口 エアバス元幹部考案 - SankeiBiz

 脱炭素への対応を迫られる航空業界で、二酸化炭素(CO2)を排出しない水素が次世代燃料として注目を集めている。しかし、これまでは水素ステーションなどのインフラ整備が課題となり、普及がなかなか進まない状況があった。こうした中、欧州航空機大手エアバスの元幹部が設立したスタートアップがインフラ不要の水素供給システムを考案し、普及への突破口を開くとみられている。

 ポッド充填で2機能

 「水素飛行機」というアイデアは特に新しいものではない。既に米宇宙航空局(NASA)が実践しており、各メーカーはここ数年で小型航空機での実証実験を行ってきた。ただ、経済合理性を確保するには、水素を飛行機に供給するためのインフラ整備が必須となる。しかし、ジェット燃料の給油を前提とした空港の多くでは、水素供給用のパイプラインや貯蔵施設が導入できていないのが現状だ。

 この問題の解決に挑むのが、エアバスと米複合企業ユナイテッド・テクノロジーズの元最高技術責任者(CTO)であるポール・エレメンコ氏だ。エレメンコ氏が設立したスタートアップ、ユニバーサル・ハイドロジェンは自動車のガソリンタンクのように水素を効率よく輸送・貯蔵するシステムを作ることで課題解決の端緒を開く。

 同社はパラ系アラミド繊維「ケブラー」で塗装された楕円(だえん)形のポッド(約2.13×0.9メートル)を開発し、この中に水素を充填(じゅうてん)する方法を考案。このポッドはトラックや電車などで水素を輸送する際には貯蔵容器、飛行機に搭載する際には燃料タンクとして、2つの役割を果たすよう設計されている。

 ポッドに水を入れた場合は1個当たり約208ガロン入れることができ、通常の貨物輸送用コンテナの中に54個が収まるようにラックに積み上げることが可能だ。フォークリフトなど一般的な装置を用いて航空機に積み込むこともできる。

 ここで最も重要なポイントは、空港にパイプラインや地下タンクなどのインフラを導入する必要がないことだ。エレメンコ氏は「当社は水素を通常の物流システムによって処理できる“ドライカーゴ”として扱えるようにしたいと考えている」と話した。

 同社はあくまで水素供給システムに注力し、航空機メーカーになるつもりはない。その代わり、ポッドだけでなく、地域間航路向けのナローボディー機に水素燃料を導入するための改造キットを2024年から提供する計画としている。米ボーイングとエアバスは今後10年以内に旧式のナローボディー機を次世代機に置き換える計画で、エレメンコ氏はその前にこの改造機を飛行させたい考え。これにより、両社の次世代機の設計に水素燃料導入に必要な構造要件を反映する余地が生まれる。

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