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Friday, November 5, 2021

インフルエンザのワクチン供給に遅れ 福島県内で接種予約取りにくく | 福島民報 - 福島民報

 新型コロナウイルスワクチンの大量生産に伴いワクチン精製用の資材が不足し、国内で今季の季節性インフルエンザワクチンの供給に遅れが出ている。福島県内の医療機関でもワクチン接種の予約が取りにくい状況が生じている。厚生労働省は12月までに不足を解消できるとしているが、医療の現場からは早期の供給を望む声が上がっている。

 厚生労働省によると、国内の製薬会社が今季、国内で供給できるインフルエンザワクチンの量は成人の約5600万人分に当たる2818万本分。同省は例年の使用量に相当する分は確保できるとの見解を示しているが、昨年10月末には供給見込み量の約9割が出荷されていたのに対し、今年はまだ7割に満たない状況となっている。

 新型コロナウイルスワクチンの大量生産により、ワクチン精製の際に滅菌に使用するフィルターが世界的に不足していることが原因という。

 国内では昨季、新型コロナの感染予防対策の影響でインフルエンザの患者が極めて少なかった。日本感染症学会がまとめた今季の「インフルエンザワクチン接種に関する考え方」によると、今季はインフルエンザに対する集団免疫が形成されていないと考えられるため、海外からインフルエンザウイルスが持ち込まれた場合、大きな流行を起こす可能性がある。

 県内の医療機関によると、インフルエンザの国内流行が懸念される中、県内でも感染が広がる前にワクチンの接種を希望する人が多く、従来より早い時期に予約する傾向が見られる。

 医療機関では既に今季分のワクチン接種の予約を締め切る所も出てきている。福島市の済生会福島総合病院では今季確保できたインフルエンザワクチンは昨季の1000人分から2割減の800人分だった。10月1日から受け付けを開始すると、予約が殺到し、10月中旬には今季分の予約枠が埋まったという。

 福島市医師会長の岡野誠同院副院長(73)は「ワクチン接種を希望する人に対応しきれていないのが現状。ワクチンを確保している他の医療機関もあると思われるので、接種を希望する人は医院やクリニックなどに問い合わせてもらいたい」と話している。

 県によると、県内のインフルエンザ感染者数は新型コロナの感染拡大以降、少ない状況となっている。定点医療機関(83医療機関)からの報告では、今年の感染者は15人。いずれも3月までに感染が確認され、今季の感染者はゼロとなっている。昨年1年間の感染者数は1万252人で2019年の3万7862人に比べ3分の1以下だった。担当者は「ワクチン接種まで時間がかかるケースがあるが、感染防止のため日ごろ実践している対策を徹底してほしい」と呼び掛けている。

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