[25日 ロイター] - ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ウクライナに進出している企業の間で操業停止などの動きが広がっている。一方、ロシア事業を持つ企業は、米欧日など西側諸国が発表したロシアに対する制裁の影響を見極めるともに、より詳細な情報を待っている。
ウクライナで31%の市場シェアを持つビール大手カールスバーグは、同国内3醸造所全てで生産を停止。
清涼飲料ボトラーのコカ・コーラHBCは、工場の操業停止を含む緊急時対応計画を発動したと発表した。
JTは、ウクライナ中部のたばこ工場を閉鎖した。
海運大手APモラー・マースクは、2月末までウクライナへの寄港を停止し、黒海沿岸のオデッサの主要事務所を閉鎖。国際物流大手DSVも営業を停止した。
米貨物輸送大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)と米宅配大手フェデックスはウクライナ国内外向けサービスを停止した。
欧州の格安航空ウィズエアーは、ロシアの攻撃開始を受けてウクライナ領空が閉鎖されたため、運航を停止し、現地の乗員とその家族の退避措置を開始した。
<ロシア進出企業にも影響>
ロシア事業の比率の大きい企業も影響を受けている。
24日、ドイツの電力会社ユニパーと同社の大株主のフォータムの株価が急落。両社はロシアに合わせて12の発電所を持ち、7000人を雇用している。フォータムは、エネルギー生産は制裁対象でないため、直接の影響は受けていないと説明した。
ユニパーは、ロシアからドイツに天然ガスを運ぶ新たなパイプライン「ノルドストリーム2」事業に10億ドル出資している。同事業の承認手続き停止を受け、ユニパーとともに出資していた独ウィンターシャルは、事業の棚上げは政治的要因によるものだとし、賠償を求める可能性を示唆した。
英銀大手ロイズは、ロシアからのサイバー攻撃を「強く警戒」(チャーリー・ナン最高経営責任者)。
<チタン、ネオンの供給不安>
主要原材料の供給が混乱する可能性を指摘する声も出ている。
航空機エンジンメーカーの英ロールス・ロイスと仏サフランは24日、主原料でロシアが主要生産国であるチタンの調達を強化していると述べた。
一方、ウクライナは、米国の半導体製造で使用されるネオンの90%以上を供給している。
大手企業は、在庫積み増しと調達先の多様化で、侵攻を受けた供給網の混乱は限定的との見込みを示している。ただ、業界関係者の間では影響が長期化する可能性があるとの見方も出ている。
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